美味いものは脂肪と糖で出来ている

エッセイです。何となく書いてしまったという感じでした。

エッセイに説明は蛇足でしょ、ということで勝手ですが本文を。

それはハンドルを握りながらの仕事からの帰り道でした。肩が凝っていました。普段も肩は凝っています。それでも2週間ほど仕事漬けになっていたせいか、それとも数日前に上司から嫌味のような小言を言われたせいか、その日の肩凝りはより一層ひどいものでした。
信号待ちになると、尚のこと肩が疼きます。気を紛らわそうと周囲を眺めてみれば、ふとラーメン屋の看板がみえました。時間は夜の10時。小腹のすいたのが悪魔的な誘惑をしてきました。
美味しいものは脂肪と糖で出来ているとはそんなコマーシャルの台詞が頭を過ぎりながらも、ついウインカーをあげてしまいました。
だって疲れた体にはエネルギー、回らない頭には糖じゃないですか。

店内は多少油のベタつきがあるものの、なかなかオシャレな雰囲気です。ラーメン屋なんですが、女性受けも良さそうなセンスがあります。カウンターに座ると、綺麗な若いお姉さんが笑顔で対応してくれました。店内は忙しそうでしたが、お姉さんといい、厨房内のお兄さん達といい対応には懸命さがあって、すこしだけ肩凝りを忘れました。
注文を待っている間、スマホにすがっていると、何となく周りが気になりだしました。単純に煩かったからです。
見れば大学生くらいの団体です。10人くらいの、男女が半々の連中でした。ジョッキが見えます。男連中が浮かれて羽目を外しているのが伺えます。気分が悪くなりました。店員の対応に気持ちを上げられてから落とされたからでしょうか。とにかく気分が悪くなって、せっかく忘れていた肩凝りがまた疼いていました。
連中のバカ騒ぎはとにかく続きます。ラーメンが運ばれてきても続きます。麺を啜る音で騒音をかき消してやろうなんてしてみましたが、まぁ無駄です。分かっていましたが、やっぱり無駄でした。
結局、食べおわった時に残っていたのは、濃厚な豚骨のスープよりこってりした苛立ちがほとんどでした。
会計を済ませて、不機嫌そうに喫煙所に向かいました。救いを吸い込むようにフィルタに口をつけ、ストレスを吐き出すように紫煙を燻らせます。
タバコを連続で2本吸い終え、夜空を眺めて少しだけ落ち着きました。遠い遠い黒色をちっぽけな大地から眺めていると、だんだんとさっきの連中への憤りはなくなっていました。それは気づいてしまっていたんです。自分も昔、大学生の時はあんなだったんだという、だからきっと、さっきの苛立ちは軽い自己嫌悪だったんだと。そう気づいたんだと漠然とですがそう思い始めていました。
何となく脳裏には昔一緒にラーメンを食べた友達連中の顔がうかんでいました。
では一体自分は何に苛立っていたのか?
何を羨んでいたのか?

再びハンドルを握っての帰り道は複雑でした。まったく美味しいものはきっと脂肪と糖で出来ているんでしょう。

美味いものは脂肪と糖で出来ている

徒然なものに最後までお付き合いくださった方、ありがとうございます。前書きと重なりますが、思ったので書きたくなった。書いてしまった、そんな作です。

美味いものは脂肪と糖で出来ている

頭がまとまらないままのエッセイです。言いたいことはとにかく徹頭徹尾、美味しいものは脂肪と糖で出来ている。そんな作です。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • ミステリー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-24

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