日曜日のすがた

図形信仰

三度三度食べること
三度三度思うこと

矛盾のない正方形

君を思えば連なって
繋がるような気がしていた
血肉になるような気がしていた

嘘のない正方形

秋晴れの空に浮かんでいる

私の信仰の賜物だった

占いごっこ

凍りつく私の心臓に
君は「おはよう」と言ってくれた

だから君が次に目を開ける時は

菩提樹の下のゆりかごで
優しく浮かぶシャボン玉と
透き通った真理の夢を

眠たいままに
安らかに

ぼんやり眺めることを赦される

ユートピア

信心深いストーリー
胸に響くシンフォニー
愉快にまみれて生きていく

おもちゃ箱の奥底で
オルゴールの夢を見る

私を潰す無機質な音は届かない
私を窒息させるブルーライトも届かない

おもちゃ箱から出るものか
遅れてきた戯曲家に
赤いミニカーをぶつける

私の調和を崩すわけにはいかない

私だけのマエストロに
新しい靴下を履かせる

落下する水滴に命を与える
甘いお菓子ほどの尊さを帯びて

調和を崇拝して
溢れた砂糖に金貨を与えて

理想郷を支配する

日曜日のすがた

5分おきに死んで
5分おきに生き返って

「誰かが許してくれますように」

10分おきにお祈りして
10分おきに疑って

「誰かが許してくれますように」

一回転したら違う姿になって
空に浮かんだ粒子を掴んで

あちらこちらにパワースポットを作る
誰かが来るたび濁っていく

濁っていく空気
混濁した精神
カフェテラスから観察する

フラペチーノを飲みながら
私のためだけの世界を作る

日曜日は片手間に神様ごっこをする