 
倦怠
 憂鬱は夜明けとともにやってくる
 真夜中の射精は無味乾燥
 なんでもない夢を見るだけ
 サウスウィンドウに光なし
 おれの頭に意識なし
 ただ昨日と同じ灰空と疼痛
 ベッドわきに積まれた本
 散乱したちり紙の骸
 アート作品のように波立つ布団
 心に残るものなどなく
 残るものは腰の疼き
 やり場のない手で頭を掻く
 PCからは流行りの曲
 どうしようもないほど静かな日曜の朝
 
 
 夜中に下着を取り換えた
 夢を見ないのに夢のせいにした
 生命力の塊のはずのしみ
 だがそれは冷えて固まりただ不快なだけ
 陽も陰も必要不可欠じゃないだろう
 ずっと前から嫌いなんだ
 じぶんが自分であることが
 
 
 言葉を尽くす前に
 心を尽くしたい
 その相手もいないくせに
 寝る前に“愛”なんて考えたからいけないんだ
 
 
 たぶんもう眠りには就けない
倦怠
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