ありがとうね、ありがとうね

ありがとうね、ありがとうね

   



   



   



   



   



  
いつもの明け方

今朝 いつもが愛しい

たとえいなくても いまだけは


眠るひと

去るのでも 消えるのでも

旅立つのでもなく    このこころで


返事来ないLINE 話す

涙雨なのか 雨がつらい 荼毘の刻


わからない人生 翻弄にさまよう

アンナだけは、アンナだけは・・・・・・


安易に癒えない

 癒える日さえも拒んで

レボトミン飲み込みながら


癒えぬ苦しみ

でも少し微笑んでくれ

最後まで呼んでいたひと


癒えない苦しみ いまはいい

いまも おまえがおまえでいるどこかなら


知ってくれたさ 短く尊いひとを

よく生きたよ 悼んでくれた


聴いてくれたくれた人たち

立ったまま眠ってた寂しいおまえを






“リル、あたしを忘れるの?”


“ありがとうね”


“ありがとうね”





今際の際

おまえが

苦しい息の意識のなかで

零した

じっと聴き続ける

ずっと寂しかったな

ごめんな

終えるまで

想ってくれたんだな

ありがとうな

ありがとうな






涙雨がやんで




ひとはなく



ひとはいた
   



   



   



   



   



  

ありがとうね、ありがとうね

ずいぶんあれから、遠くなった。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq3

ありがとうね、ありがとうね

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-23

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted