未完の詩
・・・・・・・すいません・・・・・・
大都会の陽は傾いて
薄暮になれど、街はますますにぎわってくる
人々は幸福を求めて
右往左往すれど、かなしく汗を流すだけ・・・・・
街は人々の幸福を求めている
彼女は何を考えているだろう
この虚しい都会の真ん中で
俺が彼女のことを考えるとき
彼女も俺のことを想っているだろうか?
時はあまりに速く流れる
最後に彼女の声を聞いてから
丸二年の時が流れた
恋が死ぬには十分過ぎる時間だ
俺は考える
俺の恋が死ねば
俺の生活も死んでしまうと
親しく彼女のことを考えた日々も
無になってしまうと
人間が生きていくには
愛だの友情だのが必要だ
そうなりたくはないと
孤高で強く、一人で立っていて
女からも離れて
ただ自分の仕事を一生懸命にこなしていて
ただ強くありたいと思っていても
俺も一人の人間だ
恋だの愛だのを心の中で
どうしても強く求めてしまう
それでも強くあれ、偉大であれと
血を流す俺の心臓が叫んでいる
できれば彼女と手に手をとって
俺の偉大な心臓を
その真紅の血液を
この大地に解き放ってしまいたい
ああ、俺は生き
この地上に名を残していくだろう
彼女の献身的な愛と俺の業績とは
この地上で一等、美しいものになるだろう
千年の時が流れて
俺の名前はどう取り扱れているか
それも俺にはどうでもいい・・・・・
今、この時に生き
今、この時を燃焼して
せいいっぱい汗を流していけば
並外れた仕事もできるだろう
それをこの眼で見届けなければ
生身の生を彼女と共に生きていかなければ・・・・・
未完の詩