言葉と魔力と赤い城
侵略者が現れてから、やがてその後からやってきた、
どこの馬ともしれない連中、緑の団に、この国は支配、統治されるようになった。
今日も人混みがそこかしこに現れ、彼らによって、
街の人間が痛めつけられる、
彼等は、魔物や怪物を奴隷のように扱っている。
それは、禁止された行為のはずなのに。
『……には強い言葉の魔力を持つ人間がいるのです』
(なんですか?)
と人混みの中の一人の平凡な少女が、質問者に問いかけた。
『歴史の節目には、強い言葉の魔力を持った人間が必ずあらわれます、私は、それを探り当てる事の出来る人間です』
魔物や怪物に、めちゃくちゃに破壊尽くされた
その赤いお城の王国で、
少女は、絶望で大きなまっ黒のクマと、色をなくしたような瞳をもっていて、
それを、質問者にぶつけた。
その人だけが、少女の瞳を避けたり、目を伏せたりしなかった。
少女と距離を取ろうともしなかった、
人混みでさえ、その赤いリボンの少女は、かつての印象をその後ろ姿が残っていて
彼女が誰だか覚えている人はおおい
この街一番の美人だ。
だが今では、やつれてしまったその少女を、美しいと思う人は少ない。
『その人の言葉を信じますか?
それともこれからおこる歴史の大転換のほうを信じますか?』
質問者の背後から現れたのは、
かつて質問者が馬鹿にした事のある、
喋る事が大の苦手で、それでもこの街に居座った、不人気な旅芸人だった。
男は、フードで顔を隠し、一言だけ口にした。
『○○、あんたは、あれら、強い顔つきになった。』
言葉と魔力と赤い城