言葉と魔力と赤い城

侵略者が現れてから、やがてその後からやってきた、
どこの馬ともしれない連中、緑の団に、この国は支配、統治されるようになった。

今日も人混みがそこかしこに現れ、彼らによって、
街の人間が痛めつけられる、
彼等は、魔物や怪物を奴隷のように扱っている。
それは、禁止された行為のはずなのに。

『……には強い言葉の魔力を持つ人間がいるのです』

(なんですか?)
と人混みの中の一人の平凡な少女が、質問者に問いかけた。

『歴史の節目には、強い言葉の魔力を持った人間が必ずあらわれます、私は、それを探り当てる事の出来る人間です』

魔物や怪物に、めちゃくちゃに破壊尽くされた
その赤いお城の王国で、
少女は、絶望で大きなまっ黒のクマと、色をなくしたような瞳をもっていて、
それを、質問者にぶつけた。

その人だけが、少女の瞳を避けたり、目を伏せたりしなかった。
少女と距離を取ろうともしなかった、

人混みでさえ、その赤いリボンの少女は、かつての印象をその後ろ姿が残っていて
彼女が誰だか覚えている人はおおい

この街一番の美人だ。
だが今では、やつれてしまったその少女を、美しいと思う人は少ない。

『その人の言葉を信じますか?
それともこれからおこる歴史の大転換のほうを信じますか?』

質問者の背後から現れたのは、
かつて質問者が馬鹿にした事のある、
喋る事が大の苦手で、それでもこの街に居座った、不人気な旅芸人だった。

男は、フードで顔を隠し、一言だけ口にした。

『○○、あんたは、あれら、強い顔つきになった。』

言葉と魔力と赤い城

言葉と魔力と赤い城

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-19

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