スペクトル12
アイスピックというものは時として
コンプレックスの塊となる
Tシャツを倉庫に干し
染み付いた匂いを味わうようなものだ
田舎の坂を下りきり
コオロギの数を集計してこそ
そのコンプレックスは
原因を自覚し過去の所業を封印する契機となる
静寂なる皮を解体し
混沌都市をハイジャックしてこそ
本来の自分に回帰できるのだ
鉄製のテーブルの旋律
ステージ上の乳首ピアスこそが
11番目の革命を扇動する
日本帝國の肉の象徴の先端が
5つの鎖骨のアルカリ水に浸かり
溶かされる
錆びた林檎が装飾の極みのテーブルに飾られ
銅を削る作業に明け暮れる
打ちっ放しのコンクリートの柱に佇む
1羽のカラスが先導容積を計測する
反転したレポート用紙が
落ちた肉を拭うために利用され
角にアプラシズの刻印を押し付ける
タブをたぐって便座に座り
上官の命ずるままに釘を打つ
ADHDの過敏神経
人民の賑わいがノイズとして押し寄せる
一つ一つの言語が意味をなさずに
金属音として左脳に突き刺さる
大衆のVLはその点で鈍感で
その特殊存在を打ち消そうと
自己理論を完成させるために
躍起になり 砂を撒く
錆びついた鍵穴に肉を詰め
腐敗の過程を記録する
生体極性は混乱し破裂する
大衆のために犠牲となる羊たち
押し寄せる音の洪水と明滅に耐え
おとなしく椅子に座り
健常者の決めた法律に従順に従い
涙を流す
彼らの打ち出す球に 辛うじて身をかわす
後方に置かれた排泄物は
民衆の排他的意識の残骸
スペクトル12