キャンディーのうた

死なないイチゴミルク
逃げないレモンソーダ
口に含んでプールに漂う

塩素の霊が空中に浮かぶ
その向こうはソーダ水

何も知らないソーダ水
プールの底に口紅が落ちる

私は知らないふりをした
この先にある愛想笑いも
この先にある羞恥心も
この先にある虚無感も

何も知らないふりをした
ソーダ水のように生きていた

口の中にある
死なないイチゴミルク
逃げないレモンソーダ

これだけで、

ソーダ水の無垢を
守らなければならない

塩素の霊が空中浮遊に飽きるまで

キャンディーのうた

キャンディーのうた

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted