感情

相舞 裳袴

渦巻く黒い何かは
其れは言葉で言い表せるものではなく
延々と私の心を掻き乱す

弾丸の軌道を脳から呼び起こす
何処に向けるか
私にも知る由はない
何処にでもいいのだ
誰に当たろうが 私に当たろうが
何でもいいのだ

感情の定義が分からない
何を持ってして感情と云うのだろうか
そもそも感情は存在するのだろうか


この世の中に在る感情といえば
誰かを怨み
誰かを妬み
誰かを怒り
其れは人を傷付ける事でしかなく

そうで在るならば
感情を持つ必要が無いのではないかと
何時からか其れを捨てた

生きる意味を失い
只 自暴自棄に為る事もなく
何も無い侭 刻だけが過ぎていく


何色とも言い難い
酷く淀んだ活気の無い街
見上げても仕方ない空を見上げ
私は大きく息を吸う

何処に居ようが
呼吸という行為そのものは変わらない筈なのに
余計に心が淀んでいく気がして
無性に呼吸を止めたく為る


気が狂ってしまいそうで
片手に強くピストルを握り締め
銃口を向けた








何処から聞こえてきた銃声だろう
赤黒い其れは
何かを切り拓く一つに為っただろうか
感情を呼び起こす一つに為っただろうか

不平等で在れ 不条理で在れ
私は結局何時からか
感情に縋り付いて居たのかもしれない
感情に逃げ場を求めて居たのかもしれない

感情

人間の誰しも持っているであろう心の奥底にある黒でしかない感情。黒くない人間など存在しないのだ。

感情

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-08-25

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