分解される心臓
「心臓は分解された」
「一旦分解された」
→そうするほかないと
←技術者たちが判断したから
分解された心臓は
組み立てラインの忙しさにかまけて
身勝手に混ざり合う
大抵気付かれない
そんなものだ
だってもともとは
同じもので
同じものたちが
勝手に「個」を名乗り出して
同じものたちが
勝手に互いを違うと思い込んで
「社会は大掛かりな誤作動ですよ」
(だからってそれは真理じゃない)
→よってそれは救いではない←
時に、
君の心臓に
私の心臓は
混ざっていませんか?
多分同じ時期に分解したと思うから
もしかしてって…
疲れやすくなってたら
多分私のせい、
私は最近ちょっと思い出しやすくなったの、いいことも悪いことも…
あ、
お金がかかるから、
そのままでいいかな?
お金は大切だから…
気持ち悪いなら、割り勘で、
調べてもらおうか?
気持ち悪くないなら、
このまま生きてしまおうか…
いつかまた分解されて
混ざり合うことは、
変わらないのだから
分解される心臓