分解される心臓

「心臓は分解された」
「一旦分解された」
→そうするほかないと
←技術者たちが判断したから

分解された心臓は
組み立てラインの忙しさにかまけて
身勝手に混ざり合う

大抵気付かれない
そんなものだ

だってもともとは
同じもので

同じものたちが
勝手に「個」を名乗り出して

同じものたちが
勝手に互いを違うと思い込んで

「社会は大掛かりな誤作動ですよ」

(だからってそれは真理じゃない)

→よってそれは救いではない←

時に、

君の心臓に
私の心臓は
混ざっていませんか?

多分同じ時期に分解したと思うから

もしかしてって…

疲れやすくなってたら

多分私のせい、

私は最近ちょっと思い出しやすくなったの、いいことも悪いことも…

あ、

お金がかかるから、

そのままでいいかな?

お金は大切だから…

気持ち悪いなら、割り勘で、
調べてもらおうか?

気持ち悪くないなら、
このまま生きてしまおうか…

いつかまた分解されて
混ざり合うことは、
変わらないのだから

分解される心臓

分解される心臓

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-15

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