水草語り



頬から空気は帰っていった。
戸締りだけは頼んで置いた。
波がないから漂いに向かない
群青の髪をついばむヒカリ。





根元は産毛を求めて手探り
手櫛のアラさで電気は走る。
中の引力 ミネラル溢れる。
ほどける期待に陽が暮れる。





口づけ水草 睫毛を撫でた。
乾かせなかった ゴメンね 唇。
酸素が落ちて始まるお話。
椅子に座って地球に囁く。





原生生物ついばむ手と手,
汚れも取れるネイルの星。
腰を撫でる海流が行けない。
引き出しの奥に砂浜積もって




飛び込んだら水草群生,
浮かび続けた泡のカタチ。
似てるワタシの骨盤色,
ショートパンツと一緒の白色。





コースの番号一緒に蹴って
ターンライトが明るくなれない。
左に倣った文字は上手,
よちよち歩いて抱っこを求めて,





今日も明日も晴れになる。
日記の中なら鯨も泳ぐ
涼しく風も 吹くの間取り,
貝殻並んで脚でも歩いて,





深い肺はココロを象る。
海水は少し入ったみたい,
呼吸が魚のリズムになれば
二酸化炭素も楽しめる。





尾びれにならないお尻を触る。
少し痩せた?と気に入ってる。
浮遊力が無力化してる
体重計のメモリを数える。





横から覗く幼い水草
茎が少し裂けていた。
喋れないことばで光合成,
ちょっと熱くて抱きしめた。





ポニーテールは乾かした。
スイッチだったらさっき見つけた。
手櫛も一緒にしてあげる。
生き返ったらボブにも切ろう。





残したベッドの傍に残した
サボテンには水はあげた。
削って欲しいのは角っこだけ。
残したベッドはまだ眠れる。





着水してから取りにいく。
乗れる背中はイルカのアーチ。
写真よりも硬い背中は
木彫りの感触 残してくれた。





水草交えて生やして生きる。
泡も弾けて水になる。
拡散してライトアップ,
照らすワタシをぼかして終わる。





指紋になったプランクトン,
舐めて美味しい味がする。
抱き締めて両手の胸,
柔らかいの 風味がする。





足裏くすぐる水草の合図だ。
行こうか。
そろそろ忘れるワタシが泳ぐ。

水草語り

水草語り

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-24

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