死体の私の昼休み

お昼休みは死体になってます
ここにいるのにここにいない
お昼休みは死体になってます
よく食べよく喋りよく笑う
よく出来た死体です

死体の私の本体は
下に降りていきます
好きな人の背中にくっつきます
気付いて気付いて
気付かないで気付かないで
そんなことを言いながら
彼の頭に触ったり
彼の喉元を見つめたり
彼はスマホを見つめてる
私を知らない
彼は知らない

チャイムがなると戻ります
ただの人間に戻ります
ただの普通の人間に
普通じゃないのは頭の中で
普通じゃないのは心の中で
私の中だけです
私の中だけです

彼は何も知りません
彼は何もありません
私と彼には何もありません
私と彼には何もできません
私の心で起こるだけ
私の心の事件なだけ
私の私による私のための
殺人事件
私の私による私のための
私の死体

私はあなたが好きなんです

死体の私の昼休み

死体の私の昼休み

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-11

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