エメリアアフター
この作品はスクウェア・エニックスのスマホアプリ、ポップアップストーリーの二次創作小説です。
ゲームをプレイしていることを前提としたユーザー向けの作品というスタンスゆえ、世界観や登場人物の詳細に関しては全て省略していますので、ご了承ください。
また時系列はエメリアの親愛編6でのやり取りが行われた後であり、執筆段階ではエンディングはまだ発表されていません。後の展開は作者の完全な妄想であり、原作と大きく流れが異なる可能性もありますので、そちらもご容赦願います。
もひとつ、この作品には起承転結が存在しません。起承転は原作に任せて全部すっ飛ばして、結だけ書かせていただいています。要は、最後はエメリアと思う存分イチャイチャしたいんだ、という欲望に従って手を動かした結果生まれた作品です。この作品は小説として成り立っていません、というマジレスはご遠慮ください。全体的にエメリアとちゅっちゅしてるだけで、剣と魔法が華々しく入り乱れ禍々しい魔物が闊歩する世界を駆け巡る冒険活劇を望んでいる方の期待には全く応えられませんので、こちらもご容赦ください。学園ラブコメのエピローグというと、一番この作品のテイストとしてしっくりくるかと思います。
およそライトノベルで30ページ分ほどの短編となっていますので、気軽に読んでいただけるかと思います。お口に合うかどうかは分かりませんが、楽しんでいただければ幸いです。
登場人物について一人だけ補足すると、先生はワタクシことくらう先生で、容姿はFFⅦのクラウド(PSver)、中身はリトバスの恭介が自分の理想像なのです!そんな感じのイケメソで脳内補完していただければ!笑
1.
目を覚ますと、胸元に触れる暖かな感触と、首筋をくすぐる柔らかな吐息。小さな手はきゅっと襟元を握りしめていて、甘い息の漏れる口は半開き。閉じられた瞼は幸せそうに緩んでいて、発育途上の薄い胸は規則的に上下を繰り返している。
こんな幸せに満ちた目覚めが与えられるようになったのはいつからで、それが当たり前になったのもいつだったかもう覚えていない。それくらい、それは自分にとって日常的な光景だった。
目の前の少女――エメリアの桜色の艶やかな髪を撫で、ぷにっとした指にそっと触れて握りしめた服から手を離させて、静かに起き上がる。
服を握られていたという事実からも分かるように、オレは決して全裸ではないし、下も履いている。もちろん、エメリアもちゃんと可愛らしいパジャマを着こんでいる。まあ要するに、俗にいう朝チュンってヤツではないですよっていう言い訳。
エメリアは確かに男性の精を糧とすると言われるサキュバス族ではあるが、それにしてはこの子はあまりに幼く、経験は皆無で知識も乏しい。毎日のようにベッドに潜り込まれ、目の前でこれだけ無防備な姿を晒されて欲情しないと言えば嘘になるが、オレだって一応良識のある大人だ。それくらいの自重はできる。
もしエメリアがこちらから誘ってくれるのを待っているというのならとんだチキン野郎だが、今のところは本当にそう言った様子は無い。なにより、まだ成長過程である身体に無理はさせられない。せめてあともう少しだけ、肉体と精神が成熟するのを待つのが賢明だ。別に、急ぐことではないのだから。
とか、寝起きからそんなことを真剣に考えている時点で、本当に良識があるのかどうか我ながら疑わしい。ま、それだけ本気なんだと思えば、それはそれで良いんじゃないかと思える。
オレは出来るだけ音をたてないように寝室を出ると、顔を洗ってから朝食の準備を始める。用意するのはもちろん2人前。
最初の頃はちょっと手の込んだものを作ってみたりしたものだが、今では手抜きというほどではないにしろ、だいぶ落ち着いてザ朝食という感じになっている。
配膳も済ませてから、再び寝室に向かいエメリアのすぐ横に腰を下ろした。寝返りを打ってオレの枕を抱え込んでおり、一言で言うと超可愛い。
しばらく、黙ってその寝顔を見つめる。半開きの口端からはだらしなく涎が垂れていて、それを親指で拭ってやると、そのままペロリと舌で指先を撫でた。
‥‥うむ、無意識だ。すっかり癖になってしまってるな。変態的だという自覚はあるが、誰かに見せるものでもないからまあいいか。なんたってエメリアの唾液は極上の甘味だしね。
1人で言い訳して1人で納得して、今度こそエメリアの細い肩に手を置いてゆさゆさと揺する。
「エメリア、ご飯できたぞ。早く起きな」
「ん~‥‥」
返事には至らない呻き声を上げて、ごろりと寝返りをうったエメリアが仰向けに目を閉じたまま天井を見上げた。
――逡巡といえるものが跡形もなく消えてなくなってしまったのは、それこそいつのことだか思い出せない。
オレはエメリアのぷにっとしてむにっとした頬に触れると、そのまま顔を寄せてぽよったした唇に自分の唇を触れさせた。
王子様の目覚めのキスでお姫様は‥‥起きない。まあ、普通はそんな都合よくない。
そのままゆさゆさと徐々に勢いを強めながら揺する続けることしばらく、「ん~も~‥‥」と若干機嫌の悪そうな声を漏らしながらようやくお姫様が目を開いた。
半眼で唇を尖らせながら、じぱんぐの虎の置物みたいにゆらゆらと首を揺らしながら身を起こし、目が合うとじっと見つめてきて、少しずつ寝起きの不機嫌が緩和されて目元と口元が緩み始める。
あー、それこそ毎日だけど、この変化ちょー可愛い。
「‥‥おはよ、せんせー」
「ん、おはよ」
挨拶を交わすなり、エメリアがかくんと体を海老反りに折ってこちらに倒れ込んで来たかと思うと、唇を突き出してちゅーっとされた。拒む理由などあるはずもなく、ちゅーっとし返す。
「えへへ~、せんせーもこうやって起こしてくれればいいのにー」
「そうやって起こしたんですけどね」
あー、かわいー。ちょーかわいー。
ワケの分からんプライドによりそんな心の声は言葉に出さず、だけど態度には惜しみなく出しまくって、ほっぺたのくっつけっこをしながら押し倒して数分悶える。
エメリアのほっぺは柔らかくて暖かくて甘くて太陽の味がするのです。いや、太陽なんかよりよっぽど美味だ。太陽食ったことなんてないけど、比べるまでもない。太陽がグラム50円の鶏肉だとすると、エメリアは宮崎県産黒毛和牛だ。うむ、ワケ分からん。
まあなんにせよ、朝ごはんの前に朝エメリアをいただかないと一日が始まらないよねっていうお話。えへへ。
「さー、早く朝メシ食わないと遅刻するぞー」
「はーい」
ようやく起き上がるとエメリアと共に寝室を出て、朝食が開始される。
ちなみに、これは学園の敷地内に用意されているオレの部屋での出来事である。
同棲、なんて甘ったるいものではない。ウチの学園は全寮制であり、しかし門限も点呼もなく、縛られるようなものは何もない。よって授業にさえ出ていればどこで何をしようと自由なのである。
要は、エメリアは単なる押しかけ状態なわけだ。いつからこうして以下略。
日中は学校にいるとはいっても、毎日来てるしもうほとんど同棲みたいなもん、っていうかむしろもうちょっと甘ったるい感じの同棲のハチミツ漬けくらいかもしれないなー、ラブラブすぎて困っちゃうなー、わはは。
とはいえオレは教師でエメリアは生徒。こんな関係が許されるのかという問題も無くもないが、学園長から直々に「生徒たちの自主性を尊重して云々というヤツじゃ」という心強いお言葉を頂戴している。いやはや、これは良い生徒に恵まれたと言ってしまっていいものか、悩みどころだ。
最初はロリコンだのなんだの言われたりもしたが、今では少しずつその評価も落ち着きつつある(ゼロではない)。確かにちっちゃいエメリアのことは好きだが、同じようにユノやルリに夢中になれるかといったらそんなことはないし(可愛いけど)、反対にキャリーやジェナには興味が無いかといったらそんなこともなく、普通に可愛いと思う。ふくよかな双丘にだって興味なくはない。いやまあ、あくまで一般論というか、本能的にというか。
なんだかそろそろ誰に対して何の言い訳しているのか自分でも分からなくなってきたのでこのくらいにしておこう。
要は、サイズに関係なくエメリア大好きですよっていうね。僕にとってエメリアさんはフリーサイズですよっていうね。ナイスバディでたゆんたゆんなエメリアになったとしても大好きですよっていうね。Sサイズでいて欲しい欲はちょっとあるけどね。
残念ながらイチャラブ食べさせっこ大会は開催されておらず、ぽつぽつと雑談を交わしながらとっととメシを食い終える。喋っていると食事の手が止まるエメリアの皿の上にはまだ半分以上ご飯が残っていた。
学生と教師では学園に到着すべき時間も違うので、「あー、せんせー待ってよ~」というエメリアの声を背中に聞きながら、ひと足先に我が家を後にするのもいつものことだ。そして行ってきますのちゅーを忘れないのは当然のことと言える。
2.
居住地と職場が目と鼻の先なので、通勤時間と呼べるものが皆無に等しいのは非常にありがたい。家を出て数分も歩けば、そこはもう通勤地であるセントフェーレス学園の敷地内である。
学園へ入ると、早くも顔を出している多くの先生に挨拶をしながら授業の用意をして、コーヒーを飲んでひと息つく。家で飲んできても良いのだが、ありがたいことに学園で用意してくれている豆は非常に質が良く、しかも共有で飲んでいるため減りが早い。
つまり自分で用意するよりも新鮮な豆で飲めるということである。コーヒーにはそれなりにこだわる人なのだ。以前、コーヒー屋の異世界と繋がった時は、実は誰よりもテンション上がってたかもしれない。
時間をかけて一杯を飲み干すと、ようやく立ち上がって教室へと足を向けた。
「せんせー、おっはよー」
と、向かいから制服姿のエメリアがやって来る。さっきまではパジャマで寝ぐせもっさりだったのが、可愛らしく制服を着こなしてふんわりツインテールに結った、いつものエメリアになっている。
オレが出てからけっこう時間経ってるけど、ちょうど今来たところのようだ。レディは支度に時間がかかるってやつかな。まあ、遅刻しないならなんでもいいけど。
「ん、おはよー」
適当に挨拶を返すと、エメリアは勢いそのままにタックルをかましつつ抱きついてきた。
朝っぱらから。他の生徒の前で。
人目があるところではあまりイチャイチャするのはやめなさい――とか別に言ってないので、あんまり気にせずよしよしと頭を撫でる。そしてその小さな体を抱え上げて、こっち向きに腕の上に座らせて抱きつかれてるポーズ。全力でイチャイチャしながら教室へと向かってみた。
チラチラとこちらを窺う目もなくはないが、わりといつもの光景となってしまったのでもはや気にする人も少ない。当事者たる自分たちも含めて。
「あ、先生おはようございます~」
「先生おっはよー! 今日も仲良しだね!」
その途中で、天使族のミスティとリリアナと出くわす。リリアナの髪が若干湿っているのは、多分ランニングでもしてシャワーを浴びた後だからだろう。朝から元気な子だ。
「エメリアちゃん、そうやってると先生と兄妹みたいだね!」
ニコニコと悪意のない笑顔のリリアナだが、それを聞いたエメリアはむっと唇を尖らせて、するりと腕から抜け降りた。
「エメリア大人だもん。妹じゃなくて、せんせーの立派なお嫁さんなんだから」
言って、スタスタと歩き去ってしまった。
妙な沈黙が生まれ、リリアナは気まずそうな顔で、ちらりとこちらを覗き見る。
「あ‥‥先生、ゴメンね。変なこと言っちゃったかな‥‥」
「ど、どうしましょう‥‥。エメリアさんがどこへ行ったか占ってみます‥‥!」
「いやいや、いつものことだしすぐ機嫌直るから大丈夫。ていうか先に教室行っただけだろ」
それでも少しだけ不安そうな2人に、オレはグッと親指を立ててみせた。
「気になるなら後で『キレイになったね』って言ってみ。一瞬で機嫌直る」
「うん分かった! ありがとう先生!」
「私も一緒に言ってみます~」
言うが早いか、リリアナは駆け出しミスティも慌ててその後を追った。
わーお、そんな素直に受け取られるとなんか良心が痛むからヤメテー。まあ、嘘を言ったわけじゃないから良いっちゃいいかもしれないけど。
教室に入ると案の定、すっかり機嫌の直ったエメリアが楽しそうにお喋りに興じていた。うーむ、分かってはいたがホントに単純だな。まあそこが可愛いんだけど。可愛いんだけど!
そしてほどなくして、始業時間が訪れる。今日の最初は魔法学の授業だ。初歩的な汎用魔法は一通り教え終わっているので、今は応用編であったりやや用途の限定される特殊な魔法を教えているところである。
上級の魔法でも基本の魔法の術式や構成を正しく理解していれば、自ずとそれらを組み合わせた場合の結果も見えてくる。逆に言えばそこを理解できなければ難解で手に負えなかったりもするが。
「先生、その魔法の場合、それ以外の用途としてこういう場合の利用はできないのかしら」
説明の合間にわりと複雑な質問を投げてくるのは、ルシール。
魔法に関しては学園でも飛び抜けた成績で、授業の度にこうして、多分他の生徒にはほとんど理解できていないであろう難解な質問を投げかけられる。先ほど言った通り多種多様な知識を持ち合わせていれば、このようにいくらでも応用的な考えが出来るのだ。
彼女は初めから非常に優秀な生徒だったが、教えれば教えるほど次々知識を吸収し、1を教えただけで10を学ぶ姿は教える立場としては楽しくもあり、一人歩きされているようで苦くもある。
けれど彼女は独学だけに依らず、事あるごとにオレを頼り質問をぶつけに来てくれる。それはきっと信頼されているからなんだろうと思うと、やはり嬉しいという感情のほうが先立つのだった。
「せ、先生‥‥っ! わ、私も、お聞きしたいの‥‥ですが‥‥」
続いて手を上げて質問してくるのは、ウルスラ。彼女は成績優秀とは言い難いものの、恐らく今後少しずつ伸びていく晩成型な子だろうと思わされる。
かくいう彼女、出会った頃は質問どころか、挨拶の声すらまともに聞き取ることができず、会話と言える会話を交わせたのは数か月経った後という有様だった。積極性に欠けるどころか、消極性をこれでもかというほど山盛りにしたような子で、とてもじゃないが自分の意見を言えるような子ではなかった。
それが今では、少しくらいならこちらの言葉を遮り気味にでも声を聴かせてくれるようになっている。
隣に座る、いや眠っているレヴィアは相変わらずだが、マスターであるウルスラとの絆は確かなもので、授業態度はともかくこの子はこれでいいんじゃないかなと、ある意味では安心している子だ。
その後ろに座るメアリーも、ウルスラと同様。男性と話をするのは大の苦手だったそうだが、すっかりクラスの男子とも馴染み(他クラスの男子はまだ少しだけ苦手のようだが)、2人きりだと流石にややぎこちないものの、男女混合の団体行動であればごく自然な会話ができるようになっている。
そうなったきっかけがオレであり、以前は職員室に来たりオレが図書館に行ったり、たくさん話をさせてもらったものだ。
面倒だと思ったことが無いと言えば嘘になるが、今のメアリーを見ていると、自然と頬が緩んでしまう。友達と話している様を温かく見守るとか父親かよという気分だが、まあ教師ってのはそんなものだろうと自分を納得させる。
オレがこの学園にやってきてから、そろそろ2年。生徒たちはそれぞれが、それぞれの成長を遂げている。
そしてそれはもちろん、エメリアだって同じ。
最初はいつも居眠りしたりどこか遠くを眺めていたり真剣に何か書いていると思えば必死に落書きしていたり、座学など5分も聞いていられないような子だったのに。
今は真剣な顔をして板書を見ながらオレの説明を聞き、人の質問にもしっかりと耳を傾けられるような子に成長していた。
潜在的な魔力はあれど、座学としての魔法は得意としていなかったエメリアだが、今では基礎的な知識をしっかりと身につけ、地盤を固めたことでメキメキと実力を上げている。
そうして努力している理由は単純、〝強くなってもっと認めてほしい〟だそうだ。
正直言って、めちゃくちゃ嬉しい。
成長できていることに対してももちろんだが、それ以上に、自分が誰かの何かの理由になれたことが何より嬉しかった。
もしここに立っているのが自分でなければ、エメリアはいまだに授業を聞き流しているような子だったかもしれない。他でもない自分が理由で誰かが頑張ってくれるというのは、想像以上に嬉しいことだった。
3.
魔法学が終わると、次は実技の授業が始まる。座学は面倒がる生徒ほど、実技になると元気がよくなるものだ。
かくいうオレ自身、魔法の構成を語るよりは体を動かせる実技の方が好きである。
なんといっても元冒険者だ。さらに言うと策を弄する参謀タイプではなく、考える前に動く脳筋タイプだったのだからなおさらだ。
訓練場へ向かうと、そこではすでに数人の生徒がウォームアップや自主練を行っていた。今も激しく打ち合っているセリムとミハエルは最初の頃からずっと続けていて、初めて出会ったときに比べると随分と強くなっていた。
ミハエルは騎士の家系ということもあり、初めから比較的スジが良かった。だがセリムは、正直なところ才能という面では恵まれていないと言わざるを得ない。
しかし彼は日々の努力でそのハンデを埋め、確実に実力を蓄えている。こういう子が努力の天才ってヤツなんだろうかと思う。まあ実際のところセリムの場合は努力っていうか、楽しんでる部分が強い感じではあるが、その辺を含めて才能なのかな。
もう一度言うが、オレとて元冒険者。そしてさらに言うなら、この学園からお呼びがかかる程度には名の知れた冒険者だ。
要するに、いくら才覚のある生徒を集めているからといって、生徒たちに後れを取るようなことはなく、むしろ手玉に取れる程度には力量に差があるということ。
模擬刀を持って同時に3人の生徒を相手にしながら、それぞれの動きや反応を見て指摘をし、時には罵倒も嘲笑も織り交ぜる。多少は生徒によって緩急はつけるが、基本的には悔しさをバネにできないようでは強くなることは難しい。馬鹿にされ見下され、悔しく思いつつも冷静さを欠かず状況を見極めるのは、実戦を前提とするなら絶対に必要な能力だ。
そういう面で飛び抜けているのは、リタ。この子は追い詰められるほどに感覚が研ぎ澄まされていくような雰囲気がある。野党だった過去もあり、死に直面する状況に慣れてしまっているせいもあるのだろう。
孤高の一匹狼。今でも多少その気はあるが、それでも初めて出会ったときに比べると信じられないほど柔らかくなっていた。誰とも関りを持とうとしていなかったのが、誰かに声を掛けられても嫌な顔をしないようになり、気づけば自ら声を掛けるようにまでなっている。
そしてそんなリタと対照的なのはハンナだろう。誰に対しても積極的に関り、彼女をきっかけとして仲良くなった生徒も少なくないだろう。
ただ戦闘に関しては、ただでさえ荒い戦闘スタイルだというのに、熱くなればなるほどさらに荒くなってくる。
この子の場合は自身の危機よりも、他者の危機に対しての怒りの方が湧き上がりやすいようだ。戦う力よりも、守る力に特化した子。その優しさは時に力となり、時に弱さとなる。それが彼女の美徳であるが、少々心配にもなる子だ。
授業終盤になると体力が尽きて動けなくなる子が多く出てきたものだが、最近ではその数も減り、倒れるにしてもそれまでの時間も長くなってきている。精神や技巧と共に、純粋な体力も着々と蓄えられつつあるようだ。
見れば見るほど、付き合えば付き合うほど、今後が楽しみだと思える子たちばかりだ。
誰かに何かを教えることが、こんなにも心躍るものだなんて、知らなかった。
体を動かすのは楽しい。だから実戦の授業は好きだ。
だけどそれ以外の理由で笑みがこぼれていることくらい、自分でも気が付いていた。
××× ×××
昼は食堂に向かって昼食をとる。恰幅の良い食堂のおばちゃんは気の良い人で、生徒たちとも仲がいい。
今もユミルが大盛りを頼んでいるにもかかわらず「大盛りで!」とさらなる盛りを要求しているが、おばちゃんは嬉しそうにマンガみたいな無茶苦茶な特盛の茶碗を差し出し、ユミルは大はしゃぎでそれを受け取っている。
量も無茶だが、それを平気で完食しておかわりをするユミルはそれ以上に無茶である。ドワーフってみんなあんななんだろうか。
ひと足遅れで来たので食堂はすでに大勢の生徒で賑わっていた。その一角ではキララとルリが仲良さげに肩を並べて食べており、その向かいではハンナが微笑ましそうにそれを見て、特盛の丼を3つほど抱えたユミルを迎え入れていた。
また別の席のアリサを見ると、ひどく質素な昼食を悲しそうな瞳で眺めている。するとその目の前に周りの友人から次々とお裾分けを貰い、気づけば山盛りの豪華な昼食が出来上がっていた。
申し訳なさそうに遠慮するような動きを見せているが、目は正直で山盛りの皿を見つめる瞳は爛々と輝いていた。
食堂の一角に腰を下ろし、そこにいる生徒たちを静かに眺める。
そこには当然自分のクラス以外の生徒も大勢いるが、ウチの生徒を見つけるのは容易だった。
それだけ、オレにとって彼ら彼女らは特別な存在なのだ。
そうやって改めて生徒たちを見ていると、誰もが変化し、成長している。それは些細な変化であったり、大きな成長であったり、違いは様々。
それは生徒間で高め合っていった成長もあれば、敵との戦闘で築かれた成長もあり、当然といっていいのかオレが与えた影響もあり、原因もまた様々だ。
みんながどれくらい自分のことをどう思ってくれているのかは分からない。それでも慕っていると言ってくれる子は多く、そんな生徒たちをこうして眺めているのは決して悪い気分じゃない。
そんな風に思えるようになったのは成長と言うべきなのか、否か。
けれどその変化を好意的に受け止められているのならば、敢えてそれに名前を求める必要も無いだろう。
オレは”今”に満足している。その事実だけで十分だった。
4.
放課後、一通り職務を終えて帰宅すると、ほどなくして私服に着替えたエメリアがいつものごとく勝手に上がり込んで来た。最初の頃は呆れたり追い返したりしたこともあったが、今ではこちらも当たり前として受け止めるようになってしまっている。
毎日押し問答をしたって仕方ないというのも当然あるがそれ以上に、オレだって嬉しいんだ。こうやって毎日来てくれることが。
ベッドで寝転がって読書をしている腹の上に、エメリアが乗って来る。視界が塞がれて邪魔なのでポイっと隣に落として、本からは目を離さないままにぎゅーってしてちゅーってしてゴロゴロしてたらいつの間にか本がベッドの下に落ちていた。うーむ、目を離していなかったのは最初の3秒くらいかな。
本を拾って、ベッドに座り込んで壁に背を預けるようにして読書再開。エメリアは隣でくっついてイチャイチャ再開。たまにグリグリと頭を押し付けてきたり、首元にキスしてきたりするので先ほどから1ページも進んでいない。全然再開してなかった。
「ねえ、せんせー?」
ふと、エメリアがどことなく沈んだような、珍しく落ち着いた声音で語りかけて来た。本に目を向けたまま「んー?」とやや気のない声を返す。視界の端に、揺らぐ湖面のようなエメリアの瞳が映っていた。
「前も言ったけどね、エメリアが卒業したらせんせーはどうするの?」
オレは本を読む手を止め、エメリアに向きなおる。
「前にも言わなかったっけ」
ずっと一緒にいるよ、とエメリアに泣いてお願いされた時に答えたはずだった。お願いっていうか、我がままって言った方がいいかもしれない。
ただ我がままってのは、必ずしも悪い事じゃない。言われて嬉しいことだってあるし、言って欲しい時もある。
この前のそれは、エメリアがそんな我がままを言ってくれたから答えられたことだ。オレから言い出すのは、ちょっと難しい。
「それは、そうなんだけど‥‥」
しかしエメリアはその返答だけでは不満のようだ。少しだけ唇を尖らせて言葉尻を濁す。
うーん、そうだなあ。とりあえず唇がとんがってるからキスでもしておこう。名案だ。
ちゅー、と唐突にしたら少しだけ嬉しそうだった。わーい、かーわいー。
しかしエメリアは真剣な空気を崩すことないまま、じっと深紅の瞳をこちらへ向け続ける。
「でも、エメリアが冒険者になったら、会える日も、一緒に居られる時間も少なくなっちゃうでしょ? エメリア、そんなのイヤだもん」
確かに、ずっと一緒だとは言ったものの、具体的な提案をしたわけではない。何の考えもないまま今のまま状況が進行すれば、どうしたってそうなってしまう。
エメリアは考え込むように押し黙り、やがて何か決心したように唇を引き結んで顔を上げた。
エメリアはオレの手を取って、ぐっと身を乗り出して鼻先が触れそうなくらいに顔を近づけて、言った。
「エメリア、冒険者になるの止めてせんせーのお嫁さんになる!」
「いやいや」
「それでエメリアも一緒にせんせーになる!」
「いやいやいや」
なんか突然発想が飛んだ。いやまあ、お嫁さんは嬉しいけど。なんにせよ先生は無理だろ。申し訳ないがエメリアが教壇に立ってる姿とか想像がつかん。
「そうだな、まずひとつ言わせてもらうなら――冒険者になってもお嫁さんにはなれる(キリッ」
「あ、そっか! じゃあ冒険者になってからお嫁さんになる!」
「うん、なって」
今更遠慮も恥もないよね。ぼくもりっぱなおむこさんになる!
まあ、それは置いといて。
具体的な何かを言ってあげられていないというのは、事実。
いずれとかそのうちとかきっととか、曖昧な言葉で約束を反故にする悪い大人にはなりたくない。これから先、広い世界で生きていれば悪い人間に出会うことは何度だってあるだろうが、だからこそ、自分だけはエメリアにとって何があっても信頼できる存在でありたい。
だから、オレは今見つけなければならない。エメリアの不安を取り除くことが出来る、エメリアが納得する、エメリアが笑顔になってくれるような答えを。
いつの間にやら、オレの行動原理はすっかりエメリアになってしまった。エメリアに喜んでもらうために、エメリアにもっと好きになってもらうために、オレは行動を起こすのだ。それ以外の誰かに及ぼす影響を二の次にしてでも。
それならどうするか‥‥とか悩んだところで、出来ることなんてほとんどないんだけど。
だからオレは、エメリアにそれを提案する。ずっと頭の隅にありながらも、色々な懸念があって言い出すことが出来なかったそれを、今こそ。
「分かった。それじゃ、こういうのはどうだろう――」
終.
「武器は?」
「持った!」
「路銀は?」
「だいじょーぶ!」
「防寒着とか」
「入ってる!」
「食料」
「おやついっぱい!」
「魔法の教本」
「もっちろ‥‥ん?」
威勢よく答えていたエメリアの声が途端に小さくなる。立ち尽くしてこちらを見つめ、やがてぷくっと頬を膨らませる。
「もう、せんせーからかってるでしょ! エメリアもう学生じゃないもん!」
しかしオレは真顔のまま「いやいや」と手をひらひらさせる。
「何言ってんだよ、教本は冒険者でも必需品だぞ。だって、教科書の魔法全部丸暗記してるわけじゃないだろ。唐突に超マイナーな魔法が必要になる状況だってあるんだから。オレだっていまだに持ち歩いてるし」
言いつつオレは腰に引っ提げていた年季の入った本をペラペラと捲り、とあるページを見せつけるように開く。
「はい、じゃあこの魔法の発動条件と効果、起こりうる周辺被害を答えなさい」
最初の数行だけを指し示し、パタムと目の前で本を閉じる。エメリアは慌てて閉じられた本の表紙を見つめ、しかし中身の透視などできるはずもなく眉尻を下げて唇を尖らせる。
「そんなの分かるわけないし。使ったことないもん」
「だから、それを使うかもしれないから持って来なって言ってんの」
「あんなでっかい教科書、重いもん」
「授業の教科書じゃなくて、要点だけまとまったヤツ渡してるだろ。こんくらいのヤツ」
オレが持っていた教本を掲げると、エメリアは「あっ」と声を上げてから口元を歪め、一筋の冷や汗を垂らしながらゆっくりと視線を逸らす。
なんとなく教本の処遇に見当がついて、オレはこめかみを震わせながら、口元だけ笑みの形に歪めて問う。
「今、どこにある‥‥?」
エメリアは凄い勢いで視線を泳がせ、結局視線を合わせることはないまま俯いて、消え入りそうな声でぽつりと答えた。
「‥‥いらないと思って、図書館に置いてきた」
がっしとエメリアの細い肩を掴んで、ニッコリ笑顔――を、怒り顔にころりと変えて、学園の門扉に向けて突き飛ばす勢いで押し戻した。
「とっとと‥‥取って来ーーい!」
エメリアは「ひゃあああん!」と可愛らしい叫びをあげながら門出を迎えたばかりの学園へと駆け足で戻っていった。
オレはその後ろ姿をため息とともに見送りながら、学園を見上げた。
オレの受け持っていた生徒は、1人も落ちこぼれることなく冒険者になった。
もちろん全員が同様に旅に出るわけではない。キララとルリはじぱんぐに帰って巫女をやるし、クリスとユノもエルフの里を守る戦士として帰ってしまった。セリムは積極的に旅に出かけて行ってアリサとどちらが先に有名になれるか勝負するのだというし、エリックは隣国の研究機関で引きこもるそうだ。
さらなる修業を積むのだというレンゲとそれに従うスズナに、教師となるべく別の小さな学園に向かったモニカ。王となるべく帝国に帰還したアルヴィンに、王国騎士として同様に国に帰還したミハエル。
ステラは当然というべきか学園に残り、カミラも「めんどくさい」といっていまだに学園で引きこもっている。1人残さずとは言ったが、まあこの2人に関してはさすがに例外だ。
こうして一部を挙げてみても分かるように、冒険者とは言っても別に全員が文字通りの冒険をしているわけじゃない。
冒険者というのは一種の資格のようなものだ。その資格を持っていれば一定の実力があることの証明となり、国や街等が受け持つ依頼を引き受けることができるようになる。
その報酬で生計をたてている者を冒険者と呼び、長く続けていれば受ける依頼の得手不得手が自他共に認識されるようになってゆき、戦闘であったり研究であったり、その人それぞれの専門が自然と決まってゆくのだ。
エメリアはまだ明確に目的を定められていないので、ひとまず雑多な依頼をこなしていこう、ということになった。いい加減のように思えるが、駆け出しの冒険者は皆こんなものだ。意外とこれが最も無難な選択肢なのである。
そしてオレはというと、生徒たちの卒業を見送ると同時に――教員を辞めた。
ありがたくも学園にはかなり惜しんでもらえたが、オレとてどちらかと言えば血の気の多い冒険者。学校の先生よりは、現場で戦闘のほうがよほど性に合っている。むしろよくこんなに根気強く教員など出来たものだと思う。
これもひとえに、ウチのクラスの生徒たちのおかげだろうと言わざるを得ない。次のクラスでもう一度、同じ気持ちで教師が出来るとは思わない。甘えたことを言っている自覚はあるが、別に教師の道を究めたいわけではないのだ。
それなら、ここから先は自分の望む道を進むほうがいい。そして申し訳ないが、オレの望むものは学園には無い、いや、無くなってしまった。
そうこうしている内に息を切らせたエメリアが戻って来ると、真新しい教本を両手で掲げて見せつけてくる。なぜかその表情は自慢げだ。
そしてそのまま抱き着かれ――気づく。
「あれ、エメリア背伸びた?」
いつもは胸元に埋められていた顔が、今は首元に沈んでいる。
その何気ない言葉に、エメリアの表情が夜明けの太陽のようにパアアァァッ!と輝いた。おおう、そんなに嬉しいのか。可愛いな。
「もっちろん! エメリアどんどん大きくなって、おっぱいだってすぐキャリーみたいになるんだから! 魅惑のボディでせんせーをメロメロにしちゃうゾ♪」
すでにメロメロですよとは口に出さず、自慢げなエメリアを見下ろしながら少しばかり思考に耽る。
子供っぽくて能天気で自信家で素直で可愛いところは最初から変わらないが、中身ばかりじゃなく外身だって成長していく。当たり前のことだが、内面の成長を気にすることのほうが多かったせいで、気づけなかった。
「‥‥‥‥‥‥」
腕を組んで沈思黙考。だが悩んだのは数秒。すぐに自分の教本をパラパラと捲る。
「せんせー? 何してるの?」
「‥‥いや、成長を止める魔法とか無かったっけと思って」
「もー! なんで!?」
べしっと手を叩かれて検索する手が強制的停止。だって、エメリアにはいつまでもちっちゃ可愛くいてほしいじゃないか。
「分かった、じゃあおっぱいの成長だけは認めよう。正直エメリアがばいんばいんになる可能性は極めて薄いからな。放っておいてもたぶん大丈夫だ、問題ない。けど身長はこのくらいで止まってくれたほうがオレとしては‥‥」
「もーっ!」
勢いよくほっぺたを引っ張られた。痛い、痛いけど可愛い。
「エメリア、すぐにキャリーくらいおっきくなるんだから! おっぱいも!」
「今のままのキミでいて‥‥」
ちっちゃいのがエメリアの魅力なのに。まあ、大きくなったらそれはそれで魅力的だとは思うが。見た目の変化程度でこの気持ちが変わるとも思えない。
「とはいえやはり抱きしめたら腕にすっぽり収まるくらいがマイベスト‥‥!」
「だからー!」
再び教本を捲り始める手を止められ――唇に柔らかくて暖かいものが触れた。
「いつか、背伸びしなくっても届くようになりたいな、って‥‥」
少しだけ恥ずかしそうに頬を赤らめたエメリアの顔が離れ、拗ねたような口元の温度の余韻は、今しばらくオレの唇に残されている。
あー、ヤバいこれ超可愛い。今すぐ抱きしめて上から下まで余すことなく撫でまわしたい。
胸に渦巻く熱い想いはどうにか抑え込み、抱きしめ返すだけに‥‥留まらないから匂い嗅ぐくらいいいよね。はすはす。
「えへへ‥‥せんせー、大好き」
えへへ、僕も大好きだよって言う前に、ちょっと気になる点が浮上する。
「なー、オレもうせんせーじゃないんだけど」
「えー、じゃあなんて呼んで欲しいの?」
「んー、ダーリンとかどうですか」
「えー」
うわ、なんだその冷たい目は。まるでオレのセンスが無いみたいだからやめなさい。
エメリアは少しだけ考え込んで、うーんと首を捻る。
「だって、エメリアにとってはせんせーはせんせーだもん。せんせーだって、エメリアがどうなったってエメリアはエメリアでしょ? だから、せんせーは今でもエメリアのせんせーなんだゾ!」
せんせーとエメリアを連呼されて混乱しかけるが、すぐに納得する。
互いの立場がどうなろうと関係ない。なにより大切なのは、今こうして2人が一緒に居られるということなのだから。
「うん、そうだな。じゃ、そろそろ行こっか」
「うんっ、せんせー! 最初はどこ行くの?」
「とりあえず隣の街に行って、何か受けられる依頼でも探そうか」
「おー、冒険者っぽい!」
「ま、今はあんまり大きな話題もないからな。魔物の討伐かもしれないし、単なる調査かもしれないし、ゴミ拾いかもしれないし」
「えー、冒険者っぽくない!」
エメリアは不満そうだが、名前が知られていないということは信頼もないということで、当然大きな依頼は受けられない。オレのコネがあれば多少は変わった依頼も受けられるとは思うが、やはり段階を踏んでいくことが大切だ。
「ま、地道に頑張れってことさ。今は色んな経験積むことが大事、な」
エメリアは少しだけ不満そうな顔を浮かべていたが、しかしすぐに表情を明るくさせて大きく頷いた。
「うんっ! そのほうがせんせーといっぱい一緒にいられるもんね!」
――そうだ、オレがずっと見ていたいのは、この笑顔だ。
空を見上げると、目の覚めるような青空が広がっていた。少し視線をずらせば、雄大な聖樹がオレたちを、学園を、世界を見下ろしている。
見上げる空はどこまでも高く、見渡す世界は限りなく広い。今まで自分が冒険者として見て来たものなど、世界のほんの一部でしかなく、きっとこれから出会うモノ、人も場所も経験もひっくるめて、知らないことの方がずっとずっと多い。
なにより今まではほとんど1人での旅ばかりだったけれど、今はエメリアが隣に居てくれる。それが一番の幸せで、一番の今後の楽しみだ。この子がいったい、これからどんな成長をしていくのか。この子の影響で、自分がどう変わっていくのか。
明日に向けて、未来に向けて。
オレたちは冒険者としての新たな一歩を、踏み出したのだった。
エメリアアフター
読了ありがとうございました。短いながらも頑張って書いたつもりですが、楽しんでもらえたでしょうか。
ポプスト終了のお知らせを受け、ツイッタでも色々な形でポプストの世界を残そうとされてる先生がたくさんいるようですが、私はイラストは描けませんし素敵なコラも作れません。一目で楽しめるものを創れる人は本当に羨ましいですが、それができないのならせめて自分の分野で何か形に残そうと思ってこの作品を書き上げてみました。
小説というのはどうしても作品を読むのに時間がかかってしまい、イラストと比べるとどうしても気軽さという点で圧倒的に劣ってしまいますが、その分より深い世界を味わうことが出来ると思います。イラストとは違う楽しみを覚えてもらえたなら、作家志望としてはこれ以上ない喜びです。
実を言うと少し前から、エメリアと2人で別の世界に迷い込んでしまうという短編~中編程度のお話を書こうと思って、遅々としながら構成を練っていたのですが、出来るだけすぐに発表したいと思い立ち今回の短編を作るに至りました。今はまた別の作品を優先しなければいけないので10月に間に合わせるのは無理そうですが、いずれそちらも発表できたらとは思っています。出せるとして、かなり先にはなりそうですが‥‥。
もし良ければ、感想などいただければ幸いです。投稿サイトに上げても大量の作品に埋もれがちな昨今、こうして多少なりとも関りのある人に読んでもらえる機会もなかなかないので、たとえ一言だけでも、ツイッタにでも感想を添えてもらえればすごく嬉しいです。直接は言いにくいという場合は、ログインが必要なので少し面倒ではありますが、小説家になろうの方にメッセージ送信機能があるので、適当な名前の垢ででも、そちらにでも送っていただければと思います。なにとぞ!
最後に、宣伝させてください。
ここのプロフに、小説家になろうのマイページへのリンクを張らせてもらっています。今はそちらで活動‥‥というか息してるのは一作品だけですが、時間があればそちらも見てもらえたら幸いです。
1,2章(自分換算で第1巻)は我ながら拙いなーと思うのですが、3章(自分換算で第2巻)辺りからはようやく今の自分の作風を出せ始めていると思うので、読み始めでツマンネ!ってなっても根気よく3章まで読んでいただければ面白くなる‥‥かもしれません。
それ以外の作品はけっこう過去に書いた作品なのでそれ以上に拙い部分があると思います。あとネット小説を始めてすぐなので、レイアウト的にかなり読みにくくなってしまってると思うので、気が向いたら時間がある時に、くらいで構わないので興味を持っていただけたら嬉しいです。
どれくらいのペースで発表できるか分かりませんが、今後も投稿はしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。