祈りの轍

貴方が愛した日々を
私が愛おしんだ今日を
誰かが愛する未来を
私は確かに歩いていく

そうして誰かが私の痕跡に静かに触れる日を夢見るのだ
塵のように軽く
風のように不確かで
涙のようにいつか乾く

何もない手をみつめて
ほのかに頬に感じる暖かい陽光と去り際に冷たさを置いていく北風を慈しむ貴方に見つかる日を夢見て
祈りにも似た思いを
聖歌にも似た美しさを
聖母にも似た慈愛を

貴方の行く道が
優しいことを祈っています

祈りの轍

祈りの轍

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-10

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted