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「わからない」事が増えたのは

多分高校に入学して暫くした頃だったと思う。


最後の最後まで進学したい学校が見つからず

消去法で選択した県内の偏差値60前後の女子高。

成績優秀と言われ、生活態度に問題のなかった私は、

特に苦労する事もなく入学してしまった。


しかし高校に入学してからというもの、

元々苦手だった人付合いは更に苦手を極め、

体力が他人より圧倒的に無い私は

登下校で疲れ切り勉強に追い付けなくなった。


人付き合いも、勉強も、何もかもが「わからない」。


気が付けば私は、

自分自身の事も「分からない」状態になってしまっていた。


ある日の学校帰り、駅のホームで電車を待っていた時。

ホームに入ってきた電車を見て思った、

「ここに飛び込んだら死ねるんだ」。

唖然とした。

「死んじゃう」ではなくて

「死ねる」と考えた自分が怖かった。


その日から私は、ホームで電車を待つ事をやめた。


ハサミを見ると、

昔目の前で怪我をした男の子の

その鮮やかな赤色を思い出すようになった。

だから筆箱からハサミを取り除いた。


「わからない」が多くて怖くて。

それでも強く、生きていくしかないの。


まだ たった16なのに、

きっとこれから先、

病気事故でもしなければ

事件にでも巻き込まれなければ

もっと長い人生なのに

もう、既に「わからない」だなんて

情けなくてこんなこと誰にも言えないまま

今日も夜が更けてく



私はきっと

"何処か"で "何か"を間違えた


ほら


「わからない」でしょ?

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「わからない」について書きたくて。
特に意味は無いけど
これも結局、私の事。

でも、死のうなんて思ったことは無いよ
思ったことないのにそう感じたのが怖かったなぁって、そんな話。

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-09

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