習作:オリンピックが終わって
今度のオリンピックは考えさせられた。
私がまだ若かったうん年前に、新聞でオリンピックのメダル獲得順位が出ていた。その順位を表わすのにメダルの総数ではなく、金メダルの数が多い順に順位が付けられているのを読んで、
「これはおかしい。メダルの数が多い方が強いんじゃないか?」
と違和感を覚えたものだった。
でも、よくよく考えてみると、
「どんなに2番の数を取っても、一番になった人にはかなわない。」
と妙に納得したものだった。
そりゃあそう。2番になったって大喜びするのもおかしいもんね。
そんなことがあったから、ロンドンオリンピックが終わってからの皆さんの熱狂ぶりをみて、今度は逆の意味で違和感を感じてしまった。
「オリンピックでメダルの獲得数が過去最高になりました。」
テレビを中心としたマスコミはとっても盛り上がっている。
おい、おい。昔の報道はどこ行ったの?金メダルの数は目標に遠く及ばなかったじゃあない。と調子がくるってしまう。
この時、私の脳裏を、どこかの政治家が事業仕訳で、
「2番じゃダメなんですか!」
って言った発言が頭をよぎった。みんな、あの人に影響されちゃったのかなぁ?
そのうち、過去最多の入賞人数ですなんて言いだすかもしれませんね。
やっぱり、一番の価値って再認識されるべきだと思う。
一番になるとやっぱりその人は頼られるし、みんなが一番を目指し切磋琢磨することで、いろんな発展があるのだから。それに、某テレビのテレビチャンピオンなんかを見ていても、一番になる人はほかの人と比べて、ずば抜けて秀でていて、光って見える。そして、その努力は半端でないと思う。
一番を狙って2番、3番になるのは仕方がない。一番を狙うことが美しいんだ。
そんなことで、私も何でも良いから“自分なりの一番”を目指してみたいと、今更ながら思うのでありました。
了
習作:オリンピックが終わって
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