僕らはゾンビ対策官 番外編 前編 相須三歩
僕らはゾンビ対策官の番外編になります
※他の所でもこの話は載せています
ゾンビ…… それは今から90年前に現れた人間の天敵である。そんな天敵であるゾンビと戦う組織が世界中に存在する。しかし、その中でも日本にある東京本部は少し変わっていた……
ゾンビ殲滅局、東京本部、対策2専用室……
東京本部には他とは違う変わった仕事を持つ班があった。それはスパイ対策班だった。このスパイ対策班は局の中に不審な人間がいないか監視する班で、もし局内で何かがあった時は一番最初に駆けつける班だった。そんな班は一般業務の人達の中にいた……
F班(北音寺班)……
「あーもうやだ!」
そう言って一人の女性は束になっている紙を机の上に投げ捨てた。彼女の名は相須三歩、二等ゾンビ対策官だった。
「ガンバ!私のが終わったら手伝ってあげるから」
相須の隣に座っていた一ノ瀬がそう言った。しかし、それを言っただけで相須が作業に戻るはずがなかった。
「ゾンビと戦いたいな~。はんちょー駄目なの?」
相須はそう言うとF班班長の北音寺の方を見た。しかし北音寺は何も答えなかった。それもそのはず、相須は毎日同じような事を言っている為北音寺も答えるのに疲れてしまったのだ。
「北音寺、ちょっといいか?」
突然そんな声が後ろから聞こえた。北音寺はすぐに振り向くとそこには対策3(司令部)の宇土がいた。
「何か用?」
北音寺がそう言うと宇土は一枚の紙を渡した。
「ここに載ってる名前の人達が黒か白か調べといて、場合によっては笛中班も使っていいから」
「分かった。終わり次第報告しに行く……」
北音寺がそう言うと宇土は対策2専用室から出ていってしまった。北音寺は仕方なく宇土からもらった紙に目を通した。すると今回の対象は3人で、二人が対策2で一人が対策5の人間だった。
「相須以外これに目を通してくれ。見終わってから説明する」
北音寺はそう言うと、F班副班長の片原にその紙を渡した。すると相須が北音寺にこう言ってきた。
「なんで私は読まなくていいの?」
「当たり前だ。お前は読んでも理解出来ないだろ」
「ぶー」
相須は北音寺に正論を言われ、何も言い返せなかった。だが、相須はその紙を見してくれても良いのにと思っていた…… 宇土から貰った紙を相須以外全員が読み終わると北音寺はこう言った。
「対策2、B班(川中班)の鵜飼准官を片原。G班(九条班)の三宅一等を一ノ瀬と鵜野。あと一人は俺と相須だ。白だと思った所でここに戻ってこい。解散」
北音寺はそう言うと立ち上がった。そして部屋から出ていった。それを見た相須はすぐに北音寺のあとを追った……
「はんちょー!今回はどんなやつなんですか?」
相須は北音寺の後ろにつくとそう聞いた。すると北音寺は歩きながらこう言った。
「今回の対象人物は対策5に所属する研究員の伊中俊。書いてある事によると研究と関係ない薬品やらをいじってんだとよ。正直それだけで調べる事でもないと思うがな」
対策5専用室まではすぐについた。すると北音寺は相須に部屋の外で待つよう指示をして、一人で中に入ってしまった。そしてしばらくすると対策5の研究員の蒔村をつれて出てきた。
「紙に書いてある情報をだと蒔村がそれを見て報告したらしい。だよな?」
北音寺はそう言うと蒔村は頷きこう言った。
「伊中が使ってる研究室は第三研究室。すぐそこの部屋で今もいると思う。一応バレないように軽く変装したら?」
蒔村はそう言うと二人に白衣とマスクを渡した。正直マスクがあると余計に目立つ気がしたが、付けないで簡単にバレるよりはましだ。
「はんちょー!着ましたし、早く入りましょ!」
「ちょっ!ま……」
相須は北音寺が止める前に対策5専用室の扉を開けた……
僕らはゾンビ対策官 番外編 前編 相須三歩