僕らはゾンビ対策官 笛中編前編
※この話は「小説家になろう」で載せています
笛中編 No.1
今から90年前、突如姿を現したらゾンビにより約6割の人間が消息不明となった。その時日本ではゾンビ発生から一週間後に対ゾンビのスペシャリスト達を全国からかき集めた組織を組織をつくった。その組織は国民から「対ゾンビ組織と……」
そして現在…… 時は経、人々のゾンビへの感情は薄くなった。しかし、そんな中ゾンビ殲滅に向けて戦っている人間達がいた……
ゾンビ殲滅局東京本部、対策2専用室……
「最近今まで以上に物騒になったね」
そう言ったのは対策2、K班班長の笛中叶多だった。彼の率いる班は周りから「追跡班」とも呼ばれるほど、対象に気付かれずに後を追うのが得意としている班だった。
「ですよね。昨日も狙撃事件があったばかりですしね」
笛中班副班長の墳本はそう言うと腕時計を見た。そして再び笛中にこう言った。
「班長、そろそろ会議の時間ですよ」
「そうだな。何かあったら任せる。出来るだけ早く戻るようにはするけど……」
笛中はそう言うと部屋から出ていってしまった。墳本は笛中が出ていくと、自分の席に座り、前の作戦での資料をまとめ始めた……
第五会議室……
この部屋には副本部長の郡山とL班班長の柚木、そして笛中がいた。
「郡山副本部長、話とは何でしょうか?」
柚木が郡山にそう聞いた。すると郡山は一枚の写真を二人に見せた。その写真には車に乗っている一人の男性が写っていた。
「この女の顔を見たことがないか?」
郡山が二人にそう訊ねた。しかし二人は誰だか分からなかった為答えられなかった。
「コイツはオメガ教の現リーダーの森島紗己だ。オメガ教については知っていると思うが、ゾンビ対策官をよく思っていない連中のそろう宗教団体だ」
「でもゾンビを祀る位なら法律違反ではないかと……」
笛中がそう言うと郡山が笛中にこう言った。
「確かにそうだ。しかし、奴等がゾンビを捕獲している可能性がある。だから笛中班が奴等の行動を外から監視してきてくれ」
「では私の班はどうしましょうか?」
そう言ったのは柚木だった。が、柚木も大体の予想は出来ていた。なぜならば笛中が外から監視する。それに加えて柚木は潜入捜査を過去に何度もしてきている。
「柚木は当然の事ながら内部から探れ。二人ともゾンビを見つけたらすぐに本部に戻れ。そしたら後に総攻撃をする。それじゃあ解散!」
郡山はそう言うと部屋から出ていった。笛中も郡山に続いて部屋から出るとまず最初に対策2専用室に向かった……
対策2専用室……
「全員行くぞ!いつものだ!」
笛中が班員にそう言うと、すぐに用意をして部下がやって来た。
「橋中と今は車を前まで持ってきて」
「分かりました」
二人はそう言うと先に部屋から出ていった。そして本部の地下にある地下駐車場を目指して移動し始めた。
「墳本はこれに目を通しておいて」
笛中はそう言うと墳本に、郡山が話していた内容が書いてあるメモ帳を渡した。墳本はそれを受けとると書いてある内容を読み始めた。笛中はその間に自分の机の引き出しを開けた。そして中から双眼鏡と信号拳銃、そして彩光弾を取り出した。笛中はそれらをしまうと部下を連れて外に向かった。そして東京本部の正面口から外に出るとそこには2台の殲滅局専用車が止まっていた。笛中は橋中から車を譲り受けると笛中は風戸と一緒に乗った。そしてオメガ教の本部である場所へと車を走らせた……
僕らはゾンビ対策官 笛中編前編