千切り絵

藤里 圭

千切れていく
無残に
薄い薄い私の肉片
薄い薄い私の自我

千切れて千切れて
一枚の和紙のように
床一面に広まった

意識だけが
床の上を浮遊する

千切れて千切れた
私のことなど

誰も彼も忘れてゆくだろう
こんなに薄い存在になったのに

私の意識はまだ悲しい
私の意識はまだ不安

千切れることを望んで
そういう契りを結んで

こんな風になったのに
肉体の薄さも
肉体の質量も
私の悲しみや不安には

なんの作用もなかったのだ

千切り絵

千切り絵

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-04

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