幕間劇

藤里 圭

瞼に触れた
何かが触れた
眠ったままの私は
感触に身を委ねる

瞼から離れる
何かが離れる
眠ったままの私は
目を開けることはない

私は夢を見ている
君と笑う夢を見る
君と手を繋ぐ夢を見る

今日の辛さを浄化する
今日の悲しみを浄化する

夢は残酷な生の幕間劇

瞼に触れたのは
夜中の何時か
夜明けの何時か

ゆっくり瞼を開いても
何もいない
誰もいない

空間だけが広がっている
今日の人生が始まる空間だけがある

君と言葉を交わすことも
君と視線を合わすことも
君の視界に入り込むことも

全て叶うことのない
残酷な人生

次の幕間劇に期待しよう
今はこの悲劇とも喜劇とも
仲良くしよう

役者たる私は
恋に恋してはいけないのであって

この片恋が悲恋であろうとも
舞台から降りることはないのだから

幕間劇

幕間劇

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-08-29

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