悲しみの青い花4

そうして僕は学校の支度をした、傘を持つと、家を出て学校へと一人向かっていった。
 家から学校までは一時間以上かかる。まず自宅から最寄の駅まで歩き、電車に乗る。そうして乗り換えをし、学校の最寄りの駅で降りる。そうして十分ほどの道を歩く。雨のせいでその日は学校に行くのは難儀だった。靴に雨が入ってくる。早くも僕の靴下はびしょ濡れだった。
 学校には八時ごろに着いた。いつもの2―Bの教室に入ると、何人かの知り合いと『おはよう』と挨拶を交わし、僕はいつもの自分の席に着いた。そうしてホームルームが始まる。ふと僕はいつも埋まっている、斜め前の席に誰も居ないのを見つけた。
 その席にいつも座っているのは、相田咲という女生徒だった。僕は特に彼女と親交があるという訳ではない。でもその日、その席が空いているのが僕には妙に気になった。
 やがて授業が始まる。それでもその席は空いたままだった。どうやら今日は休みのようだ。
 



相田咲。彼女のことを僕はほとんど知らない。顔は可愛い方だ。でも彼女と僕は話をしたことが無い。彼女はいつも周りの女生徒と話している。僕はと言えば周りの男子生徒とばかり話している。だから僕らには接点が無い。ふと僕はそこでなぜか、夢の中の青い花が気になった。なぜだろう?しかしそのことを忘れて、僕は授業に集中した。



 やがて放課後になり、僕は家に帰る。雨はいつのまにか止んでいた。雨上がりの道を一人、僕は帰った。こんな澄んだ空気を吸うのはいつぶりだろう。僕は少し楽しい気持ちで家へと帰って行った。空は青かった。そこには珍しい形の雲が浮かんでいた。
 そうして僕は家に帰り、読書をしたり、ちょっと勉強したりしてその日を過ごした。やがて夜になる。僕は再び、あの草原の夢を見た・・・・・

悲しみの青い花4

悲しみの青い花4

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-08-28

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