魔女と人間死のゲーム・魔女の記憶

魔女と人間死のゲーム・魔女の記憶

一人の女性の声がした。
「くっくっくっ、ジュナール卿、わざわざそちらからお越しくださるとは、思いもしなかったぞぉ?
・・・まぁよい、わらわの茶会を楽しんでいってくれぇ?」
アルベルタはそういうと、ジュナール卿を見た。
「・・・アルベルタ、あなた、見る視がなくなってきたわね・・・。
まぁいいわ。そうね、楽しませてもらうわ。」
ジュナールは、アルベルタの方を見て、フッと笑って見せた。
それでも、アルベルタは、
「・・・フッ、アハハハハ。わらわの見る視がなくなったぁ?
あんなの、駒に過ぎない。面白いのはこれからだぞ?」
それだけ言うと、
「・・・ルシフェル、ジュナール卿を茶会会場へお送りしろ。」
執事を呼び、ジュナール卿を送らした。
「・・・ッチ。わらわも馬鹿にされたものだ、なぁ?ルシファー。」
アルベルタが呼びかける。
すると、どこからか、スッとルシファーが出てきた。
「・・・アルベルタ様は、私たちとお会いしたときよりぜんぜん良い顔をされていると思われますが・・・。」
ルシファーは、アルベルタのお気に入り。
一番好まれている、だからこそ・・・機嫌をそこねてはならない存在。
それに慣れているルシファーは、ほかの悪魔たちに尊敬されている。
「ッフ、まあ良い。それより、ほかの悪魔はどうした?」
アルベルタに聞かれ、指を鳴らす。

    パチンッ・・・

綺麗な音が聞こえる。
すると、その瞬間膝をついた悪魔たちが現れた。
「ここに。アルベルタ様。」
悪魔たちの代表のように、バルゼバブが言う。
「よいよい、皆の者顔お上げよ。」
アルベルタに言われ、
「失礼いたします。・・・それで、御用は。」
アルベルタにそういうと、
「・・・?ようはとくにないんだがなぁ。・・・なんとなく、なんとなくというやつだ!
たまにはお前たちも息抜きをしたいだろう??」
笑いながらアルベルタが言う。
それに驚いた悪魔たちは、ルシファーに言い寄った。
「ルシファー様!これはその、私たちはどのようにしていれば・・・」
悪魔たちが言い終わる前にルシファーは口をあけた。
「・・・。そうだな、息抜き曰く、自由だ。
自分がやりたいことをすればいいんだ。」
ルシファーは、淡々と語っているが、実際自分でも何をしていいのかが分からなかった。
ルシファーがそう考えているうちに、ほかの悪魔たちはどうしよう、どうしようと話していた。
すると、一人の悪魔が何か案を思いついた。
「ルシファー様♪こういうのはどうでしょう?
私たちには、名前がありません。だから、自由の間にアルベルタ様を楽しませた悪魔が名前を付けてもらう。
どうですか??」
一人の悪魔、強欲 マモンがそういうと、ルシファーは思った。
それはほんとに自由なのか?と。
「・・・アルベルタ様、よろしいでしょうか?」
ルシファーは静かにアルベルタに質問をする。
アルベルタは、少し考えるそぶりをみせたが、
「うむ、よいぞ。それじゃあ皆の者、わらわを楽しませたものに名をやる。それでよいか?
まあ、ルールはわらわが基準だから公平に。」
アルベルタは、悪魔たちに笑いながらそういった。

「ッフ・・・わらわもずいぶん丸くなったようじゃな。」

魔女と人間死のゲーム・魔女の記憶

魔女と人間死のゲーム・魔女の記憶

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-02-14

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