意味ある一枚の絵
正しさだけを拾って作った貼り絵。
白一色の貼り絵。
上から描いた涙色の絵の具に込めた正義が誰かの泪を誘う。
表だけ、正しさで飾りたてて楽しそうに笑ってみせた画家は描けないと最期に嘆く。
自分だけとう言う特別感のない清々しさだけで人生を飾ってゆくことに後悔していると。
正しさで納得した心を、最期だけ、認められないと。
白紙という、正しさを壊すかのように、
涙色の絵の具よりも先の自分だけの心一つ描いて消えてゆく。
その絵が、本当の自分だと笑って消えてゆく。
そこに正しさよりも意味がある人生をと、風が運んでゆく。
運命に乗った一枚の絵は、今日も何処かで意味を放ち続けているのだろう。
意味ある一枚の絵