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バンド練習の帰り道であった。突然の豪雨に見舞われたのである。不運なことに、彼女は泥濘んだ道で派手に転んだ。バンドTシャツが汚れて、スニーカーは元の色が分からなくなった。何を思ったのか、彼女はその場で座り込む。黒いリュックからドラムのスティックを取り出して、地面を叩き始めた。雨が水溜りに音を立てて降り注ぐ。そのリズムに合わせて叩き始めたのだった。泥水が跳ねて彼女の顔はドロドロである。しかし、笑顔であった!付近を通り過ぎる人々は皆、不審な顔で彼女を見つめる。だが、彼女は止めなかった。天とセッションし、土を浴びる快感を初めて知ったのだから。そこに在るモノは、天と地と融合した姿であった。

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-08-21

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