優しい嘘
こんにちは 、結珠葵 デス (๑•̀ㅁ•́ฅ✧
今回は『 優しい嘘 』のページを開いてくださり
ありがとうございます 。
まだまだ 初心者なので 、
アドバイス お願いします 。
この『 優しい嘘 』は短編になります 。
短編は得意な方なので楽しんでいただけたら
光栄です 。
いつか貴方にこの思いが届きますように 。
俺
お前はずっと嘘つきやった。
俺はずっと正直やった。
一緒に遊ぶとき __ 。
「鬼ごっことか走るのん疲れるやん」
誰よりも足が速くて、鬼ごっこが大好きなはずやのに。
体が弱い俺のために嘘をついた。
猫を拾った時 __ 。
「あたし、猫嫌い。あんたが拾い」
よく野良猫に煮干しあげてたやろ?
猫が好きな俺のために嘘をついた。
ご飯を食べている時 __ 。
「ピーマン、もーらい!」
嫌いって言うてたのに。
ピーマンが嫌いな俺のために嘘をついた。
お前がついた嘘の数だけ、
俺は幸せになれたんやで。
そんな俺が正直やったんは、
いつかお前のために嘘をつくため。
やのに __ 。
【 空 音 葵 さ ん は あ と 1 ヶ 月 で 亡 く な り ま す 】
あぁ、ひどいやんか。
もう、お前の顔も見えんくなって、
『好きやで』
このたった一言やのに。
ずっと大切にしてきた思いやのに。
お前にどんだけ、どんだけ伝えたくても。
もう伝えられへん。
「なあ、今どんな顔してるん?」
「…………笑っ……てるで」
声、震えてるで?
お前の温もり知りたいのに。
もう何もわからへん。
そして、ついに来てしまったその日。
お前は正直に。
俺は嘘つきになった。
きっと、いつまでもいつまでも。
永遠に忘れることのない、お前の最初で最後の本音。
「ずっと、あなたのことが好きやったんやで」
きっと、いつまでもいつまでも。
お前を傷つけてまう、俺の最初で最後の嘘。
「俺は嫌いやった」
俺を忘れて欲しかった。
お前を傷つけてしまうことになっても。
それでも俺は最後ぐらい、お前を幸せにできたら良かったのにな。
嘘ついてごめん。
応えられんくてごめん。
──幸せにしてくれて、ありがとう。
なあ、お願い。
泣くなよ。
最後まで、笑っててよ。
.............さよなら。
ピ____________。
「………………泣いて……ないでっ…………!!」
少女の頬を伝うそれは、
太陽の光にきらめいて、
落ちて、
──消えた。
私
「ねえ、なんで葵は嘘つかへんの?」
『ん?それはなぁ______ 』
無邪気な笑顔で、あなたは言った。
『大切な人のために、嘘をつくためやで』
あぁ、それなら。
「あたしは葵のために嘘をつく」
『じゃあ、俺はお前のために正直でおる」
──最後まで、正直でいてほしかった。
あなたの最初で最後の嘘は、
あたしのためだけを想った、
とても残酷で愛しい、
─────世界一優しい嘘だった。
優しい嘘
この度『 優しい嘘 』を最後まで読んでくださり
ありがとうございました 。
ここに出てきた
空音葵
というのは 私の初恋の相手です 。
お名前お借りさせていただきました 。
《 病気 》という少し重たい題材でしたが
ふたりの関係が分かりやすく
描けたと感じております 。
また 感想 アドバイス 等
よろしくお願い致します 。
次のお話も 楽しみにして頂けたら と思います 。