償いに
車のライトが何処を照らしているのか不思議そうに覗き込む星達。
真っ直ぐ進みたいと思うが故に沿って行けば、それが曲がっていたりするんだと白線が訴える。
消えないように飾られた白線を辿れば誰もが行ける道が転がってる。
ゴロゴロと寛いでる。恥ずかしそうに黄色になって秩序を訴える。
年功序列というような完璧な基準なんてないけれど、大切さもないけれど、何処かの誰かの権利が転がっている。
それを雨が光らせる。意味なんてないけれど。
忘れたいことを投げ出した雨は落ちて行くだけ。
静かにそっと。
目を逸らさないで最後の瞬間を見ようとする人間などいない。
雨の始点と終点を結べば解けない罪が浮き上がる。
始まりと終わりをなくした雨に傘は音をあげる。
存在が一音に込められて、罪を聞いている。
忘れないようにと、庇う時も罪を見つめていたりする。
雨の日の心はいつだって償いに繋がる。
償いに