言葉
薄暗い柵の中で思うひとつに言葉を当てはめる。
綺麗じゃないそれに綺麗な言葉はない。
言葉遣いの下手な自分の存在をまた言葉で貶す。
周りの目を気にして発した一言に心はない。
ただ、上手に言葉を使い回しているという一点において、これは美点なのだと主張できる。
ただ、一つ誇れるものが欲しいと訴えた先にそれがあっただけのこと。
言葉一つ、心一つじゃ、何も変わらないと前置きをして
いつだって、言葉一つ、心一つに頼っている。
言葉を操れないけれど、心も操れないけれど、美点もないけれど、
その、けれどを集めてつくった意味に存在意義が重なっていたりする。
本当に風が吹くような気まぐれなそれだけれど。
僅かなものではあるけれど。
その先を探している今に意味があったりする。
言葉