生きている振り
生きている振りをして、呼吸だけ自発的にしている。
吸って、吐いてそして目を閉じて振り返る。
歩いてきた道一つ戻れば振り出しに戻れと信じていた。
生きる振りをしてきたこの罪が振り出しを消す。
ゼロからのスタートを切れるほど甘くないと訴える。
マイナスからスタートを切ったところでゼロまでもほど遠い。
そこにある本当に目を向けてほしいと願ったところで
本当の振りをしていると解釈される。
前を向けばそこはゼロだと言われる。
プラスに考えろと頭だけ抜き出して、心はマイナスのまま。
生きている振りを生きているに変えたとき、心は逃げていく。
偽物の心一つ汚れても、まだやっていける。
そういう振りも覚えて今を生きている。
ここにある今だけは振りじゃないことを伝えたい為に呼吸よりも大幅に超えたため息を吐く。
明日もきっと、と続ける言葉は本物。
誰にも奪われない本物。
生きている振り