熱帯夜

去年の夏もこんなだったろうか。
あまりよく覚えていない。
詳細な記憶が減ってしまうほど嫌な暑さだったのだろうか。とっくに午前0時を過ぎていると
いうのに夏の陽射しを感じるのは日中から夕方にかけて、じっくりと温められた部屋のせいだ。

滲む汗が布団の居心地を悪くする。
何度も寝返りをうちながら、ふと自分の身体で温まった場所から逃れようとしている事がなん
だかおかしくて、一人夜中に笑えてきた。

今年の夏はそんな夜だった。

熱帯夜

熱帯夜

夏は寝つきが悪くなるような…

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-08-08

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