あさ
ラジオ体操の、いち、に、さんに連れられて朝をみる。
ポストの中の手紙を手に取り思う穏やかな朝のひと時を
雨が曖昧にする。
濡れた文字はぼやけてなにを伝えたかったのかさえよく分からない封筒を開ける。
生きるという行為がここにあると主張する。
はぁとため息を零しても朝は移りゆく時を掛ける。
走っても追いつかない一定のリズムに声を乗せる。
朝が雨の中で静かに消えてゆく。
いつの間にかラジオ体操は二番まで進んで深呼吸を促してくる。
吸って、吐いて、そして、朝が終わる。
今日もまた、、同じリズムでしか出来ない鼓動から逃げるように眠る。
全部無視して、二度目の朝はきっと自由になった雨が何かを訴えているのだろう。
儚く消えてゆく姿と共に。
あさ