犠牲
眠れない夜の言い訳は考えない。欲張りな心だけ持って生きている。
誰にも否定されないその心を自分でも否定しない。
翌朝の朝食はその分食べないと決めて、昼食も仕事で埋めて、そうやって汚れている心を何かで埋めていたつもりだった。
真剣に汚れを見た目について語ることを罪と呼ぶと純粋な目がこちらを睨む。
笑えない未来と似ているそれに私は返す目を持っていない。
何も写せないこの目に言い訳を与えてあげる事も出来ない。
心一つ落として救いたいものを救えない醜さに目を閉じる。
そして、汚れからも目を逸らす。
忘れた心一つ。もう思い出せもしないと嘆く今を私は誰かに譲る。
これを犠牲だと言えないのは、私の今より誰かの未来の方が素敵な言い訳を持ち合わせているから。
何もないという訳ではなく、何かを持っているから。
この犠牲とも呼べない今を私はそのまま、あるがまま犠牲にしているのだと、人知れぬ今の風がいう。
犠牲