偽善
美しいものを選んだだけの人が善人扱いされる。
取捨選択という何かを捨てたことさえ善意に変わる。
それを否定してしまえば、善意などなくなってしまうが故に人は馴れ合う。
その善意の優しさという微量なものに頼りながら。
もう少し、このままでと、善意を捨て続けて優しさを拾いまわる。
もう、優しさなど落ちていないのに。
落ちているのは誰かが捨てた善意とも呼ばれない偽善だけ。
善意を捨てて善意を使い回した罪を含んだ善意がカタチを変えて誰かの手にある。
何も知らないという純粋な善意は落ちてなどいない。
創造するという善意を馴れ合いの果てに落としていった神様の優しさを少しだけ感じながら空を見上げる。
哀しではなく愛しに変わるようにと。
偽善