もう要らないとお腹をさすれば、疑うという概念がそこにはなくなる。

安心させるための嘘に反して鳴る音を消してしまえば何もないことになる。

嘘を消して本当を隠して、何もないという居場所に当てはまるそこに優しさを主張する。

優しさを種類別に分けて使い分ける巧妙な技を手に入れて傷を庇い合えば古傷の名残だけを抱える。

痛みとも言えない、傷を苦しむことは不自然になる。

嘘をつく方の傷はこうやって否定される。
不自然な苦しみを否定することで罪を償いきれないことを
また不自然さが主張する。

静かに、そっと。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-08-02

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