一点

流れ星を追いかけた少年は流れ星が星であることを忘れる。

太陽が回るとき形という概念の丸を忘れる。

トンボが飛ぶとき羽があるという実態を忘れる。

人間が生きていくとき、生きているということの奇跡を忘れる。

ある一点を見ての話はやめようと全体を見通そうとして
浮かぶ不利な一点に惑わされる。

付属した物を主にして話す苦しみと付属しない単体の苦しみを述べることの差をまた、一点でしか表現できない。
そのもどかしさも、また一点に収まりきる。

この一点の先を見せびらかすことの恥を隅っこに隠して
今日もまた、一点に紛れ込む。

一点

一点

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-08-01

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