赤と青の風船

鼻歌を歌って
遠く遠くへ
飛んでいく命よ
赤い実が弾けた時
きっとまた新しい夢が見れるだろう

口笛を吹いて
上へ上へと
昇ってゆく人の子よ
赤い粒が潰れた時
きっとまた新しい道を歩めるだろう

あなたが居なくなること
それを僕は望んではいない
しかしなくなってほしい
この想いが偽善となるのなら
この世界からそっと離れて行きたい
あなたが消えて無くなること
それをあなたは望んではいない
しかし中で動めいているのなら
その風船の殻を破り出てきて欲しい
僕と同じ星の地を踏みしめてほしい

いつか先
割れてしまう
世界を映す鏡よ
誰かが直そうとする時
きっと前と違う世界が見えるだろう

すぐ近く
滅んでしまう
地球で過ごす人類よ
再び生命が芽生える時
きっとまた新しい文明が出来るだろう

壊れたものを元に戻すこと
それを僕は望んでいる
しかし何もかもが違っていてほしい
この考えが非国民的だとするのなら
気付かれずに家出をしたい
二度と帰って来れないような場所へ
完成したものを元に戻すこと
それをあなたは望んでいない
しかし常に惚けて歩いてるだけなのなら
突風に襲われて宇宙へ出てきて欲しい
僕と同じ星の地を踏みしめてほしい

赤と青の風船

赤と青の風船

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-24

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted