嘘つきのち雨

自転車を漕いで君の家へ
ここ数ヶ月生きて思ったことは
何も無かった
あの数ヶ月生きて残ったものは
何も無かったよ
ねえねえ 汗が目に染みて これじゃもう涙だ
誰の目も見たくない
誰の声も聞きたくない
闇夜が迫ってる 助けて

ストレスが溜まって
自分の腕を傷つけて来たことは
内緒だよ
自分の心を傷つけて来たことは
秘密だよ 約束だよ
目の前 真っ暗になって立ち止まった
鳥の声が聞こえる
君の声が響いてる
僕は殺される 助けて

嗚呼 僕はなぜ 嗚呼 君の元へ
嗚呼 人はなぜ 嗚呼 寂しくなる
嗚呼 汗をかき 嗚呼 涙を流す
嗚呼 苦しいまま 嗚呼 在り続ける

嘘つきのあとの世界は
僕は何も必要としてないみたいだ
嘘つきのあとの世界は
誰も僕を必要としてないみたいだ
嘘つきのあとの世界は
人は誰かを疑うようだ
嘘つきのあとの僕は
きっと仲間を疑うようだ

人生に急いで空の向こうへ
ここ数年生きて残したものは
何も無かった
あの数年生きて学んだことは
何も無かったよ
ねえねえ 涙が傷口に染みて これじゃもう薬だ
誰の顔も見たくない
誰の話も聞きたくない
朝日が迫ってる 助けて

鬱憤が溜まって
他人のものを壊して来たことは
内緒だよ
君の心など投げ捨てて来たことは
秘密だよ 約束だよ
目の前が真っ赤になって立ちくらんだ
子供の声が聞こえる
心臓の声が遅くなる
死んでしまう 助けて

嗚呼 僕はなぜ 嗚呼 ここにいる
嗚呼 君はなぜ 嗚呼 ここにいない
嗚呼 息を止め 嗚呼 辛くなる
嗚呼 記憶は 嗚呼 消えていく

嘘つきのあとの世界は
僕は君を必要としているみたいだ
嘘つきのあとの世界は
誰も僕を必要としてないみたいだ
嘘つきのあとの世界は
人は誰かを嘲るようだ
嘘つきのあとの僕は
きっと友達を殺してしまうのだ

嘘つきのち雨

嘘つきのち雨

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-24

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