召喚士と十二の召喚石【ソロモンの指輪】

召喚士と十二の召喚石【ソロモンの指輪】

はじめて投稿してつくった作品です。しょうもなかったらごめんなさい。

 
キーンコーンカーン     キーンコーンカーンコーン
 
 
 「あー、眠いー。やっと4時間目が終わったし。」
 頬を机にひっつけ、体の力を抜いてだらんとする。
 緋雲悠(ひうんゆう)はこの日を16歳の誕生日として迎えつつあった。背中まで伸びる流れるような黒髪に、金のまじる茶色の瞳は輝きを放っている。人望が厚く、みんなに親しまれていた。だが、けっこう美少女なので、一部の女子に妬まれていた。
 「悠、昼寝するのか?」
 隣の白銀ジン(しろがねじん)が笑いながら話しかけてきた。悠の幼馴染で、みんなの人気者だ。バレンタインで500個貰ったことがあるし、アタシ以外の女子はみんなこいつに告白したらしいが、全員フラれたらしい。ジンは確かにイケメン風ハーフ男子だ。茶髪で、ちょっとツンツンしている短髪。蒼い瞳は父親ゆずりだ。それに頭も良くて、運動神経抜群。
 「お前も一応女子なんだからしっかりしろよ。」
 そういうと、背中を2回ポンポンとたたいた。
 悠とジンが通う天宮高等専門学校(あまみやこうとうせんもんがっこう)は、国でトップクラスの高校だ。そのなかで、悠とジンが通う普通科、理数科、フロンティア科の三つがある。
 「悠、一緒に弁当食べないか?」
 女子の目がさっと悠へと向けられた。ものすごく居心地が悪い。女子の目力は冗談がないくらい鋭く、恨みを秘めた視線で悠を貫いた。
 「じゃあ、さっさといこうジン」
 逃げるようにジンの手を掴み、黄色の弁当箱を持って屋上へ向かった。



 「あーーーいい風!!」
 ふわっと髪があがった。青空には雲一つない。悠はジンの横に座り、弁当箱を開けて食べ始めた。ジンの両親は仕事で普段家におらず、家事全般をジンが担当していた。そのおかげか、料理・洗濯・掃除と全てがパーフェクトにこなせるという実力を保持している。
 「今日はオムライスかぁ」
 ジンの弁当を覗き込むと、悠はぼそりと呟いた。
 「あのさ、悠。」
 「なに?」
 「誕生日、今日だったろ?プレゼント、買ったんだ。きにいってくれればいいんだけど。」
 ポケットから赤い包みをとりだした。黒とのチェックで、金のリボンを使ってていねいにむすばれている。
 「あけていい?」
 「うん。みてから感想をきかせて。」
 ていねいにりぼんをといて、なかみをとりだした。
 「わぁっ綺麗!!誕生石、おぼえてくれてたんだ!!」
 中身はパールがはめこんである指輪だった。蝶と鷹が舞うように彫られており、裏には「ソロモン」と筆記体でしるされていた。
 「デパートの宝石専門店でたまたま売っていたんだ。でもサイズがわからなかったからさー、ちょっと大きいとおもうんだけど」
 確かにそうだった。指に通してみたら、ぶかぶかだ。
 「だいじょーぶ。ペンダントにしてもっとくから。」
 そう言って悠は胸ポケットに指輪をすべりこませた。


 (ムカつく。なによ、ブサイク女め。)
 悠とジンの和む雰囲気を見つめる女子がいた。
 彼女の名は福島美咲(ふくじまみさき)。ジンの熱烈なファンで、学年一の嫌われ者だ。見た目は普通だが自己中でしかも、じぶんよりかわいい女子はいないと思っている。
 (うちよりブスなくせに、なんでジン様といちゃついてるのよ。死んじゃえ、あんなブス。)
 ブツブツと暴言を吐き、隠れている壁に爪を立てた。
 そのとき、風がふいた。ただの風ではなく、甘い香りのする風だった。
 「あいつを殺したいか?」
 鈴のようなかわいらしい声がした。岬がとっさにふりむくと、そこには黒猫がいた。首輪をしていて、ついている鈴がチリンチリン鳴っている。
 「あの小娘を殺したいんだろう?憎んでいるのであろう?わらわが力をかしてやる。思う存分暴れてこい。」
 「あ、あんた誰よ!?なんで猫がしゃべれるの!?」
 「わらわはナイトメア。魔法が使える猫だ。・・・・・もう一度きく。わらわのちからをもらい受けるか?」
 「・・・・・・もらう。悠をメチャメチャにして、ジンをうちのものにしてやる!!!!!!」
 美咲は猫に心を奪われ、正気を失ってしまった。
 「・・・・・・・・・・・契約完了。」
 猫の紫の瞳が一瞬だけ、輝いた。


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召喚士と十二の召喚石【ソロモンの指輪】

次は指輪からでてくる精霊!?がなぜか関西弁の設定になりました・・・・
でもこのキャラはけっこう自分はすきです。

召喚士と十二の召喚石【ソロモンの指輪】

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-02-11

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