あの山の向こうへ
 あの雲の向こうへ
 今日こそは行ってみよう
 きみは自転車
 あなたは自動車
 ぼくは電車に乗って
 それぞれの旅へ出かけよう
 きみはベルを響かせて
 あなたはベースを利かせて
 ぼくは弁当食べて窓にもたれかかって
 それぞれの旅へ出かけるんだ
 忘れものはないように
 ポケットの中は空っぽにして
 忘れものはしないように
 ポケットの中に記憶を詰め込んで
 きっと帰ってきたならそのときには
 そのときにはきっと旅の思い出を
 ぼくの語る思い出を聞いてほしい
 だから無事に帰ることを願ってほしい
 あなたはここにいてほしい
 帰る場所をどうぞ守っていて
 ぼくはきっと素敵な旅をしてくるから

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-16

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