俺今日から異世界に挑みます3

この世界の真実を知る時。全てのものは生きては帰れなくなる。そんな世界で紅蓮は徐々にこの世界の真実を迫っていく。

紅蓮はこの世界の理を知ることになる。段々この世界に染まっていく紅蓮の話。

輝く朝日が白い空間を照らしつけていた時、俺はその眩しさにより目を覚ました。
そして、俺は体を起こすと同時に目を擦った。周りはあの時と同じで、あたり一面白で囲まれていた。俺はここが病室だと認識し、それから数秒した後、俺の頭の回転にギアをかけ速度を上げた。そして俺は思い出す。今さっき俺は体を軽く起こせることができた。だが実際昨日俺はとてつもない重傷を負っていたはずだ。俺は少し硬めのベッドから降り、その場でジャンプをする。決して軽いとは言えない体だが、昨日重傷を負ったとを一切感じさせない体だった。

「マリーがやってくれたのか?」

俺は一番この状況を作り得そうな人間を思い浮かべた。そして俺は誰がやったのか確信した後、病室を後にした。そして俺はいつものように賑わっているクエスト受注場に向かう。ここのギルドはコロシアムのように作られていて、病室はコロシアムの南部に位置する1階から5階までのとこだ。ちなみに、この階層は高ければ高いほど重傷である。俺はその5階にいた。

「やっぱ重傷だったのか」

俺は昨日あった出来事を再確認https://www.youtube.com/user/toaruotokohaichi。確か、ゴーたとくレムとの戦いで俺は初っ端から瀕死状態だった。だが、マリーによる治癒魔法でなんとか一時を乗り越えたが、この治癒魔法は一時的に全回復するだけであって時間が経つと元の状態に戻ってしまうなんとも言えないものだった。俺はその元の体に戻った時に体が耐えきれなくなってその場に倒れた。

俺は出来事を確認すると同時にクエスト受注場についた。昨日のことがあったにも関わらずいつも通りの風景だった。俺はなんの目的もなく受注場に行った。そして、辺りを見回すと、何やら受付がとても騒がしい。俺は嫌な予感をしつつも近づいていく。

「やっぱりお前か」

そこにはマリーと受付のお姉さんが口論しているようだった。俺はどんな理由であろうとマリーが悪いと判断し、無理矢理マリーの服を掴み引っ張った。

「お前なぁ、問題事を起こさないようにしようとか思わないわけ?」

「だってー!!!私がお金を稼ごうと思って弱いクエストたくさん受けようとしたら、他の冒険者が受けるクエストがなくなるのでダメですって言われたんだよ!??」

いや、お前なぁ…。そりゃ受付のお姉さんもダメって言うだろうな。俺は受付のお姉さんに同情する。もちろんマリーの言いたいこともわかる。だが、前のクエストの時にとんでもないレベル設定にしたバカは誰だ?絶対それが主な理由だろ。俺はマリーに一つ問う。

「弱いクエスト本当に受けたいのか?」

「お金のためならもちろんよ!」

俺はこいつが金大好き野郎だと言うことは知った。そして俺はこの機会に前のレベルは嘘ですとちゃんと皆に謝罪する機会を得たことに少しラッキーだと思った。そして俺はマリーを連れクエスト受注場の中央に行く。そこで俺は喉が張り裂けそうな大声で、

「冒険者の皆さんすいません!」

最初の一言を言っただけで俺らに周りの視線が集中する。中にはポカーンと口を開けている輩もいる。そして数秒後周りの人たちがざわめき始める。俺はそれと同時にまた声を出す。

「俺たち本当はあんなにランク高くないんです!実は俺らは初心者なんです」

俺は喉を痛めながらもやりきった爽快感でいた。そしてこの一言を放ったと同時に周りは唖然とし、理解するのに数秒いや、数十秒かかった。そんな中俺の隣にいたこいつだけは顔を青ざめ何かバツがあったような感じになっている。周りが理解をし始めざわめく時、隣から形の綺麗なボディーパンチが決まる。俺はそれをくらいながらも何もなかったように立っている。それを気に食わなかったらしいマリーがもっと機嫌を悪くし何度も何度もボディーパンチ決まる。一発毎威力が増してくこれに、俺はとうとう耐えきれなくなってマリーのボディーパンチを体をひねって避ける。マリーは勢いをつけたせいか少し前倒れになり、俺はマリーが伸ばした手を両手で掴みそのままマリーが前倒れになっている方向に引っ張ってあげる。するとマリーは見事に転んだ。俺はそれを見た後、この後どうしようか考える。その時周りの冒険者たちから

「なんだー。俺らと同じ初心者かー。まぁよく考えたらここって初心者が集まるは場所だったわ。」

「そーそー。こんなとこに強い奴がいる時点であり得ないっての。」

「でもあいつの昨日の活躍凄かったぞ?」

などなど俺らを責める言葉は一切なく。俺はとても申し訳ない気持ちとともにほっとした気持ちになった。だが俺の左隣で倒れてるやつからだけはとてつもない憎悪が感じた。俺はその憎悪を感じ取った後、このクエスト受注場から早く出ようと思い走って逃げた。あの一言から数十分後、先ほどのことがなかったかのように冒険者はいつも通り何気ない会話をしていた。俺はこのクエスト受注場の温かさに感動しつつも急いでこの場を後にした。俺がこのクエスト受注場の周りの外壁を飛び越そうとした時後ろから時速100キロはありそうな速さで飛んでくる奴がいた。俺はそれを一瞬で把握し、のんびりしていられないと思いその場でジャンプした。俺は何度も、このクエスト受注場を行き来している間に力加減を把握することができ、今では軽く飛び越えれるようになった。だが後ろから来るやつはそんなのはお構いなくコロシアムの外壁に穴を開けて向かってきた。俺はそれを見た後また金がかかると思った共に何故俺はこいつにキレられてるんだ?と疑問に思った。このまま逃げてもどうせ捕まるだろうと思い、その場で止まる。するとものすごい速さでこっちに向かってる奴も俺の目の前で止まる。

「な、なぁ?マリーお前は何にそんなに怒ってるんだ?」

「無自覚…」

俺は小さすぎる声に耳を傾けもう一回言ってと頼む。

「もういいわ!!!!」

マリーが大声を出しそれと同時に強烈なアッパーが決まる。俺はそのまま上空2千mまで飛ぶ。そして、上空でコンマ何秒か止まり、そのあと真下に向かって速度を上げながら落ちる。俺はまた大怪我を負うのかと覚悟を決め飛び込み台からプールに飛び込むように手足を伸ばし綺麗なフォームで落ちる。そして俺が落ちたと同時にそこの地面には飛び込みの綺麗なフォームをした後が残っていた。俺は数秒意識を失ったが、すぐに意識を取り戻し起き上がる。あまりの痛さに全身痙攣をしていたが昨日に比べれば大した痛さでもなかった。すると俺の体の頑丈さに驚いたのか俺たちと同様に散歩していた人たちの視線が一気にこちらに向けられる。それに恥ずかしさを覚えながらも、俺はマリーに抗議する。。

「いやマリーが弱いクエスト受けたいって言ったから俺たちのレベルの事を正直に言ったんだよ。これで受けれるようになっただろ」

「確かに受けれるようになったけどどうすんのよ!もうあんなこと言ったら私がクエスト受注場に行きづらくなったじゃない!」

その原因を作ったのは紛れもなくマリーだが。俺はそう思いとにかく機嫌を直してもらおうと近くにあった焼き鳥屋で焼き鳥を二本買いマリーに渡す。

「これで機嫌直せよ」

「私をものでつるな!」

俺は逆効果かな?と思ったがマリーはそんな事を言いつつも結局焼き鳥を美味しく平らげ機嫌を取り戻した。俺はこいつ本当ちょろいな、と思った。そして俺らはクエスト受注場から一旦離れ適当に散歩していた。

「そういえば俺この世界について何も知らないんだけど」

「そりゃそうよ。私が言ってないもの」

「じゃ言えよ!」

ほんとこいつクソだな。俺はそう思った。そして数十分かけてマリーからこの世界について大体のことを教えてもらった。

この世界はどういうものなのかと簡単に説明すると、この世界にはランカーというものがある。ランカーとはどういうものかというと冒険者一人一人にランキングがあるらしい。そのランキングは冒険の書に記されており今俺らは持っていないのでわからない。ランキングはどうやって決まるのかというと、この世界の中央に立つ高い塔にいるモンスターを倒すことによってポイントが貯まる。そのポイントが高ければ高いほどランキングも高くなるというシンプルな構造だ。

そしてこの世界は現実世界とはさほど変わらない商売方法。そして資本主義なので競争社会だ。家並みは現実世界とは離れていてどれも独特的な形になっている。何故独特的な家並みかというと、この世界の住民は他よりも勝りたいという負けず嫌いの人たちで溢れているらしい。俺は負けず嫌いが多いのはこの世界らしいな。と実感した。そして俺らは目的持たずただ歩き続けた。するとある一軒の料亭にたどり着いた。そろそろ休憩も必要かと思い、マリーとこの料亭に入ることにした。見た目は日本の和食の店とそっくりにできていて俺はそれに違和感も覚えつつも店員を待った。数分後お店の店員が奥から出てき、

「いらっしゃいませ」

と、丁寧な作法をしてくれた。俺はこの世界では初めて見たお辞儀に少し感心しつつ店員に誘導してもらった。そして俺らは椅子に座ると、店員は茶碗にお茶を注ぎおしぼりを出してくれた。机の上には箸を置きとメニュー表がありどう考えてもこれは日本の和食店だと俺は思う。俺の目の前で座るマリーはこの店の珍しさに驚き目を見開いている。そして少し興奮気味に

「紅蓮!この店初めて見た!こんな店がこの街にあっただなんて。」

俺は確かにこの世界ではこの店は珍しいと思った。俺らはメニュー表を開き注文を決めた。そして店員を呼び出す。数秒後来た店員は先ほどとは違う人だった。その人は俺と目が合うや否や、口を大きく開き、

「ま、まさか日本人ですか?」

と尋ねて来た。流石にこれには俺も驚き

「そ、そうです。まさかあなたも?」

俺はとっさに聞いてしまった。この世界で日本人と会えるとは思っていなかった。すると店員は

「そ、そうです!!!まさかこの異世界で日本人と会えるなんて!私ここに来て初めてです」

「俺もです!ほんと日本人と会うとなんていうか、安心感がありますよね。」

「はいっ!」

俺は心の奥で日本人と会えた嬉しさに浸りながら話についていけないマリーが不機嫌そうに聞いてきた。

「日本人ってなに?」

「まぁ簡単にいうと、お前ら助っ人は異世界から冒険者を連れてくるのが仕事だよな?」

「そうだけど」

「その異世界にはたくさんの国っていうのがあって、その中にある日本っていう国の人間のことを日本人って言うんだ」

「へぇー」

無関心なマリーに少しイラっとする。だが俺は今はそれよりもこの店員と話しがしたいと思った。

「あ、まさかだけどこの店の店長も日本人?」

「いえ。私が店長です」

俺はこの人が店長?と少し疑う。この人の見た目は明らかに俺と同い年の女子高校生にしか見えないんだが?俺は失礼を承知して歳を聞く

「何歳なんだ?」

「乙女に失礼なことに聞きますね。特に気にしないけど、私は17歳の高校生です」

「お、俺と同い歳じゃん!」

俺はまたもや感激する。まさかこの世界で日本人と会えてそれも同い歳なんて。俺は運命を感じた気がした。そして俺はそのあとメニューを頼んだ。マリーが食べている間に俺は女子高校生の店長と話をしていた。ちなみにこの人の名前は中森 愛梨という。

「紅蓮ってこの世界のことどんくらい知ってる?」

「んーこの世界にはランカーというのがあるのと、住民が負けず嫌いってことぐらい?」

「全然知らないじゃん!その助っ人さん本当に使えるの?」

「全くもって使えません」

俺の目の前で会話を耳にしていたらしいマリーが咳き込む。そしてその場で地団駄を踏み怒りを伝えてくる。俺らはそれを無視し、話し始める。

「なら私が話してあげる。」

俺はこの一言で愛梨がマリーよりも頼もしく見えた。見た目もショートカットの黒髮で身長は150センチ前後の少し幼めのルックスだ。俺は愛梨の方がマリーよりも助っ人としてほしいと思った。そして愛梨はこの世界のことを話しはじめる。

「この世界には日本でいう国というものが4つあるの。一つ目は北にある光の星って書いて光星。読み方はコウセイ。二つ目は東にある青の星って書いて青星。読み方はセイセイ。三つ目は南にある闇の星って書いて闇星。読み方はアンセイ。四つ目は西にある赤い星って書いて赤星。読み方はセキセイ。」

「この世界の国って全て星がつくのか。というよりも名前がダサすぎだな。」

俺は率直に感想を述べた。それと同時にまた俺の目の前でエビを頬張っているマリーが地団駄を踏んで怒りを表した。

「私も最初はなんでこんなダサい名前なの?って思ったけどよくよく考えたらこの世界特有の言葉がないじゃない?だから昔来た日本人が勝手に名付けたんじゃないかなーって」

「なるほど。その日本人のセンスの無さが身に染みてわかる」

俺らはこの世界に初めて来た日本人は誰なのかと思った。そして次にこの世界の塔について教えもらった。

「この世界の塔は合計で5つあるの。4つはさっき言った場所に一つずつ。最後の一つはこの4つの対角線上に位置する場所にあるの。私も行ったことないけど、とにかくそこは世界のランキング上位の人たちがゴロゴロいる場所らしい。」

俺はその塔に興味を持った。行ってみたいと密かにと心の中で思う。そして俺は1番の謎をを問う。

「この世界ってどうやったら出られるんだ?そもそもなんで俺はこの世界に来たんだ?」

「この世界に来た理由は今口にたくさんのご飯を頬張っているこの子に聞いて。で、私が答えれるのはこの世界から出られる方法。実はこの世界のランキング上位者は1位を除いて大半が私たちと同じような人たちなの。この世界を抜けるにはランキングを一位になって5つ目の塔の最上階に待っている強敵を倒さなきゃならないの。そしてその敵を倒てした先に元の世界に戻れるドアがあるらしいの。」

「この世界出る方法むずすぎない?」

「私もこれ無理ゲーだと思った」

俺らは口々にこの世界の愚痴を言う。そもそもこの世界の一位が俺たちと同じような異世界人じゃないなら誰なんだ?その一位ってやつ。俺はそいつに少し興味が湧いた。そして、俺はこの世界のことを色々と教えてもらった後、マリーと一緒にこの店を後にした。俺らはまた目的も無いまま歩き出す。だが、俺はどうしてもランキングというものが気になって仕方なかった。そもそも俺がランキングに出るには冒険の書というものを作らないといけないらしい。まぁ誰かさんがいきなり俺をこの世界で一番にしてくれたがな。俺はそう思いつつマリーに問う。

「冒険者の書ってどこで作ることができるんだ?」

「冒険の書は中央支部ギルドと言って、ギルドを取り締まってるギルドに行けば作れるわ」

いちいちややこしいな。それに、この世界色々とめんどくさくないか?この世界を出るための方法もめんどくさいし、村人はよくわからない性格が多いし、俺は今までの自分がよく耐えて来たなと今更ながら実感し感激した。

「その支部ギルドはどこにあるんだ?」

「中央支部ギルド!まぁ、どこにあるかと言われからたら世界の中央?」

「いやその世界の中央がどこなんだよ!そもそもここどこだよ!」

俺は数時間ぶりにツッコミを入れた。というか、マリーのやつ色々と大雑把すぎていちいちズレるんだよなー。俺は呆れながらマリーの返答を待った。そして数十秒の沈黙の後、とうとうマリーは口を開いた。俺は何を言い出すのかと思い耳を傾けた。

「ここは、セイセイだと思うわ。この場所から中央までは私もどのくらいかわからないわ」

俺はそのマリーの返答を聞きつつ、この街のマップが表示されている看板を見た。このマップによると中央までの距離にして10km。中央までの道のりはさすがにこのマップには書かれていないが、行く方向と距離がわかれば十分だった。

「おい。お前よりも地理に詳しいお方がここに立ってるぞ」

俺はマリーよりも的確な地理を教えてくれた看板を指差す。さすがにそれにはマリーもムッと来たようだが反論一つしてこなかった。まぁそれもそうかと俺は納得する。

「さてと、早く行かないと日が暮れちまう。ペース上げてくぞ」

俺は日がだんだんと落ちているのを横目にペースを上げた。この調子なら数十分で着くだろうと言うところまで上げる。

そして、俺らはとうとう支部ギルドについた。

「すげぇ…」

「うわぁ」

俺らは思わず感激の声を漏らした。この支部ギルドの周りは全て鉄格子で囲まれており、一見刑務所のようにも見える要塞だが、鉄格子の隙間から見える景色は緑が多く木々が生い茂っていた。そしてこの鉄格子に囲まれている中央にはクエスト受注場はもちろんのこと、俺らが前行っていた塔とは比べ物にならないほどの大きさの塔があった。俺は前のギルドも現実世界では相当な大きさなのに中小ギルドと呼ばれている原因がこの支部ギルドを一目見て全てを理解した。圧倒的な広域面積の差と人口密集度そして何よりも塔の大きさ。何もかも全てが前のギルドよりもはるかに上回っていた。

「で、マリーこの支部ギルドの入り方は何だ?」

なぜ俺がこんなことを聞くのかと言うと、前回のギルドもそうだが恐らく俺の推理だが全てのギルドにおいて特殊な入り方があるのだと思う。何故そう思うのかと言うと、前のギルドはとてつもない高さの誇る壁を超えて中に入らないと行けなかったからだ。今回のこの支部ギルドは鉄格子の高さはおよそ人3人分の6メートル。そして周りを見渡す限り鉄格子を登る方法はジャンプして飛び越える以外は特になさそうだった。そして、マリーはこの支部ギルドの入り方を言った。

「この"中央"支部ギルドの入り方はジャンプしても無駄だわ。なぜ無駄なのかと言うと、この鉄格子は普通の鉄格子とは違う部分が一箇所だけあるの。それはこの鉄格子は円のように配置されていてその全てから塔の最上階の1点に向かってバリアが貼ってあるわ。」

「何でこの支部ギルドはバリアを張ってあるんだ?」

「それは簡単よ。この支部ギルドの塔の中にいるモンスターは他とは比べ物にならないほど強いの。その強いモンスターが何らかによって塔から出てきたら恐らく半径1kmのものは全てなくなるとまで言われてるわ。だからバリアが貼ってあるの」

俺はこの支部ギルドがとてつもなく危ないと感じた。他のモンスターとどのくらいの差ががあるのかはわからないがとにかくここのモンスターはやばいと思った。

「で、この支部ギルドはどうやってはいるんだ?」

俺は根本的なことをまたマリーに問う。だがマリーは口を噤んだまま何も言わなかった。俺はマリーと出会ってからの時間が短いが、それを意味することが分かった。

「おい、マリー。お前この支部ギルドの入り方知らねぇんだろ?」

「そ、そんなことは……」

俺はマリーがはっきりと否定しないことからこれは確実に入り方を知らないんだと実感した。俺はマリーに軽蔑をし、少しあたりを見回す。だがこの支部ギルドに入ろうとしている輩は誰一人いなく、ここの入り方を聞き出せずにいた。俺は冒険者に聞くのは諦めここの周辺に住んでいる村人に聞くことにした。そして俺は一人の男性に問う。ここの入り方を。すると男性は常識のように語り始めた。

「何だお前らそんなことも知らないのか。ここの入り方は地下通路に決まってるじゃ無いか。この中央支部ギルドは上からもましてや正面からも入れない。となると入れるとしたら下からしかないだろ。ちなみに地下通路に続く道はここから100メートルほど離れた大きい門のとこだよ」

俺は村人に淡々と答えられ、唖然とした。確かに俺はなぜこんな簡単なことも思いつかないのかと、自己嫌悪しそうになった。だが隣にいるマリーが能無しということに改めて気づき俺は呆れるしかなかった。そして俺らは門の前にたどり着いた。この門も相当な大きさで、現実世界で表すなら和歌山県にある熊野本宮大社の鳥居ほどだ。数値化すると高さにして33.9m幅は47mほどある。まぁ要するにとんでもない門というわけだ。そしてその門の周りには人が百人程度しかいなく俺にはそれが多いのか少ないのかはわからなかった。そして俺らは門の奥に入り、とうとう支部ギルドの中に入る。

「とうとうきたな。支部ギルド」

俺は支部ギルドの本当の凄さを噛み締めた。そして支部ギルドはここに入る門とは比べものにら無いほどの人で溢れていた。そしてその一人一人がごつい装備で身を固めていた。もちろん俺の防具も周りからしてみればごつく、一瞬だけだが注目を浴びた。そして俺らはクエスト受注場へ向かう。クエストの紙が張り出されている掲示板は前のギルドと対して変わった部分は無く、しいて言うならば難易度が全体的に高くなったことだけだった。そして俺らはここに来た本当の理由を思い出し、ここの支部ギルドの中にある総本部と大きく書かれている場所に向かう。俺らがつくと同時に、

「冒険者様今回はどういった御相談でしょうか?」

などと丁重な扱いを受ける。その言葉に俺らはこのギルドがいかにして凄いのかと身に染みて実感した。そして俺は少し興奮気味に

「冒険の書ってどうやって作るんだ?」

俺は早く作りたいという焦りとともに問う。数分後、受付のお姉さんが書類を持ち出し、サインの記入を指示される。それに俺は順次こなしていく。

「では、これで最後です。ここに自分の名前をサインしてください」

そして俺がサインを終え、冒険の書を受け取る。そこには俺の今までの功績とそれに見合ったランクそしてレベルが表示されていた。ちなみに俺のレベルは5でランクは最低ランクのGの6005位。このランクというのは階位がSからGまであり、その階位一つ一つは1から10000まであるということだ。

「はぁ…やっぱりランクは下位か。」

「そんな気に病むことはないわ!紅蓮ならSなんてすぐよ!」

その自信はどこから出る?いやそもそもSまで頑張るの俺なんだが?俺はマリーの言動にいちいち反応してしまう自分が嫌になる。そして俺らは張り紙のある場所へと向かう。

「あ、そういえばマリーも冒険の書作ったんだよな?」

「まぁそうよ」

何だその曖昧な反応。俺は少し疑念を抱いたが、すぐに次の疑問を問う。

「お前ランクどんくらいだ?」

「Cの42よ。」

「お前なんでそんなに高いんだよ!!!」

俺は自分のランクよりも高いマリーに嫉妬した。確実に今まで使えてなかったマリーがなぜこんなにもランクが高いのか。俺は納得がいかなかった。

「私も最初は驚いたけど、聞いたとこによると、どうやら私階層のボスを2体倒したことになってるのよ」

「それどう考えても俺じゃねぇーか!」

俺は深くため息を吐く。今まで頑張ってきた成果が全てマリーの元に行くことに俺は納得がいかない。俺はこの誤解を解こうと受付へと向かった。

「おい」

俺は一言マリーを呼ぶ。やはり予想はしていたがこいつは一切動こうとしない。いやむしろ逃げようとしていた。それに対して俺は少しイラっとしたがそれを抑え少し力強く引っ張る。だがマリーもなかなか素直にこちらに足を向けてくれない。そんないがみ合いを数分続けた。その時、

バァァァァン!

塔の一階にある扉が粉砕する爆音と共に、辺り一面が砂煙に覆われた。そして俺らはその扉が破壊された方を見る。そこにはとてつもなく大きな影があった。その時砂煙ではっきりと見えなかった視界も徐々に回復して行く。そしてだんだん視界が良好になって行くとともに、その大きな影が一体何なのかが明確になっていく。

バサッッ

何かが空を切る音が聞こえた。俺らの周りの冒険者全員は今の状況に誰一人理解できておらず、唖然しているだけだ。俺は体はまだ驚きのあまり動かせないものの、脳だけは冷静でいた。そして皆が集中して見ている大きな影は上に羽ばたいた。そして視界が良好になりかけていた地面もまた、砂煙が舞い上がり視界が不良になる。だが上空にまでは砂煙が届かないから空高く飛び立ったこいつは俺らに姿を晒すことになる。そしてそいつは翼を大きく広げ自分を大きく見せた。俺は鳥類の威嚇行為と似ているなと思い、それと同時にこいつは鳥類以上の大きさの日本古来から伝わるドラゴンと見た目が全く同じことに気づく。

「こりゃ…すげぇな」

俺は思ったことをふと漏らす。俺はこの世界にドラゴンがいるとは予想していた。だがいざ間近で見ると、本とは見比べ物にならないほどの迫力があり、威圧があった。大半の冒険者は後退りしながら怯えつつも勇敢に足を前に出し戦う準備をするものも中にはいた。ちなみに俺は後退りをして逃げようとした。

「紅蓮!私早くこのどでかいやつと戦いたいわ!準備はいい?行くわよ!」

「ちょまてぇぇぇぇぇぇい!」

俺は叫ぶ。やっぱこいつといると普通に死ぬ。俺は自分の運命がこいつに握られているようで腹が立った。

「おい!お前達!ここで逃げるなんてそれでもお前らは未知の場所に挑む勇敢な冒険者かー!!!!???」

いきなり大きな声でフル装備の冒険者が叫ぶ。見た目は完全にチートの人間でめちゃくちゃ強そうだった。そんな人に俺ら冒険者は背中を押され、皆ドラゴンのいる空に飛んだ。そして俺も皆に紛れてドラゴンに向かって飛んだ。だが途中で俺はあることに気がつく。

「俺以上に脚力ある人いないんじゃねぇ?いやそもそもお前らジャンプしか出来てねぇのかよ!ちょちょちょまてドラゴンさん?」

俺はたった一人だけドラゴンの方に飛んだ。それ以外の奴らは威勢はいいものの、その場でジャンプするだけであった。我ながらにこれはダサすぎると思った。そして俺はただ一人ドラゴンの前まで飛び、ドラゴンの近くまで来たとこでドラゴンがその場で縦回転。その円周力の尻尾により完膚なきに俺は真上に飛ばされた。そしてバリッと嫌な予感しかしない音が聞こえる。俺はすぐ、このギルドのバリアを破壊したことに気づくとともに、

「うわぁぁぁぁぁ!!!また遥か上空まで行くのかよぉぉぉ!」

俺は初めてのギルドの入り方を思い出す。そして俺はふと現実を見ると、俺はあることに気がつく。それは初のギルドと比べ物にならない速さで空高く登っていることだ。俺はそれを自覚した後ゆっくり目を閉じて意識を失った。


「もう!紅蓮たらすぐ負けるんだから」

私は紅蓮の愚かさに失望した。そして紅蓮が空高くまで飛ばされたのと同時にこの街にサイレンが響き渡る。

「避難警報!避難警報!現在中央支部ギルドにてドラゴンが発生。危険度は神級です。冒険者問わず全員この街から逃げてください。」

とても大きな音で響き渡るサイレン。私は耳を抑えつつ、このドラゴンと一対一で戦えるかもしれない状況を喜んでいた。だが、それは思い通りにもいかないことで、勇敢な冒険者たちは皆揃って準備を始めていた。弓使いの冒険者、魔法使いの冒険者、いかにも防御力の高そうなランスの冒険者など様々な冒険者が立ち向かっていた。そしてその中に一人私も紛れていたが、流石に周りの覇気と自分の覇気の差に気づく。でも、私はここで後退りしたらまた紅蓮にからかわれるだけだと思い、何とかその場で踏みとどまる。そして、空高くまったこの大きな敵はゆっくり地面に着陸する。それと同時に赤くて、熱そうなものを口から吐く。それを食らった冒険者は皆口を揃えて

「焦げるーーー!誰か水!!!」

なと叫ぶ。私はそんなことで倒れるなんて弱いなと思い、ゆっくり着実に一歩一歩ドラゴンに向かって歩き始める。そしてドラゴンがまた口から赤くて熱いものを吐きそうになったとき、後方から

「おい!お前ら!そいつはおそらくドラゴンだ!その口から吐くのは炎だ。もちろん食らうととてつもなく熱いぞ!」

そう叫ぶのはここの世界とは場違いの装備をした人間だった。なにが場違いなのかというと、まずは両手に持ってる武器はおそらく異世界から持って来たであろう機関銃M4であった。私も詳しくは知らないけど、機動性は多少低め、でも連射力は高いと聞いたことがある。そして防具は私の見る限り迷彩柄の服で、金属製がないかと思いきや全身に防弾チョキを着ている。そして腰には機関銃で使うであろう銃弾。それと丸くて黒い爆発性のある手榴弾だった。私はその人を見るや否や、負けてはいられないと思い少し興奮気味にドラゴンへと向かって走る。先ほどあった恐怖はどこに行ったのか分からなくなり、ただ前を見て速剣で斬りつけようと考えていた。私は紅蓮よりも敵の弱点を知っている。そしてその敵の弱点はコアと呼ばれる部分だ。だかたまにコアのない特殊な敵もいる。私はドラゴンの胸の中央にあるコアをめがけて走る。もちろんドラゴンもコアを少し気にしており、胸を出さないようにしている。私はそれでも一か八かで走り続ける。そして最高速度に達したとき、ドラゴンとの距離は5mもなかった。私はそのままジャンプし、コアめがけて剣を突き刺す。

ダダダダダダダダダダダッン!

私が飛んでいるときドラゴンは翼を広げ飛び立とうとした。だが先程私たちにドラゴンだと教えてくれた異世界人が後方から援護射撃をしてくれた。そのM4の連射力でドラゴンの頭を打ち続ける。一発一発のダメージ量はごくわすがだが、銃弾数は圧倒的だった。私は質より量で押し切る人もいるんだと思い、その援護射撃を無駄にしないようにとまた前を向きなおす。そして

ガリッ

若干鈍い音がしたが確かにコアに剣を指すことができた。その瞬間ドラゴンは力を失い横に倒れた。誰もが予想だにしない出来事に皆頭がついて行けず、それから数秒後一人の歓喜の声をはじめ、大勢の歓喜の声がこの支部ギルドに舞った。私自身とても嬉しく、紅蓮に今度こそ褒めてもらえると思った。そして私は紅蓮の帰りを待とうとしたとき、

キィィィィィィィーーーーン

とてつもなく甲高い音に皆が耳を塞ぐ。だがその音がやむと同時にドラゴンと近い距離の冒険者があっけなく倒れて行く。一人また一人。そして倒れて行く冒険者は揃って腹部が切断されていた。私は幸い、コアを打ち取ったあと剣を刺したまま援護射撃をしてくれた人の方に向かったのでドラゴンとは多少の距離があった。そして続々と倒れるなか、一定の距離でそれは収まった。でも、その距離はとてつもなく広く、ギルド内にいた冒険者の9割ほどが腹部を切断されてしまった。残った私たちは恐怖のあまり叫び狂う。援護射撃をしてくれた異世界人さえも恐怖のあまり声も出ないでいた。続々と冒険者が逃げる中、横に倒れていたドラゴンが再び起き上がり、赤色だった体を黒色に変色させる。そして1番の驚きが

「ドラゴンのコアがなくなった??」

わたしはそのことに頭がついて行けなくなりその場で頭を抱えてうずくまる。何一つ声が出なく、紅蓮にさえ助けを呼べないでいた。そして変色した黒いドラゴンは残った冒険者達に向かい、先ほどとは違うものを吐く。それは白っぽく電気を帯びているような球状のものだった。そしてそれに当たった冒険者は皆その場で痙攣を起こし倒れる。だがそれだけではなく、その球状の白い物体は何かにあたる衝撃で爆発を起こしていた。

「きゃゃゃゃゃ!!!!」

私は思わず叫んでしまった。この絶望的状況での勝ち目のない相手。私はまたそこでうずくまり、着実に時間が経つにつれ冒険者が倒れるのをみることだけしかできなかった。一人はドラゴンに死を覚悟して挑み、顔を食いちぎられ死んでしまったり、一人はドラゴンの背中から攻めようとし、ドラゴンの尻尾で八つ裂きにされ臓器を丸出しにしてしまったり、そしてドラゴンはあらゆる方向に向けてあの電気を帯びた白い物体吐き出す。数分後とうとうこの状況に私を含め残り三人となってしまった。一人は機関銃を持った人、そして一人は防御力の高いランス。私達は目配せをし、合図を出し合った。私たちはこのドラゴンを倒すことを諦め逃げる方法を考えていた。だが一向に話がまとまる気配もなく、いきなり、ランスの冒険者が門の方へと逃げ始めた。それにはもちろんドラゴンも気づき、ドラゴンは翼を広げ、その冒険者の元に近づく、そして口を大きく広げ、食い千切ろうとする。だがランスの冒険者は身をかがめ間一髪で避ける。その直後ドラゴンの右腕の爪がランスの冒険者を貫く。これには私たちも驚いた。あの防御力の高いランスがこんなにもあっさり負けてしまうことに。私は、ランスの冒険者がその後ゆっくり頭から捕食されるのを見てるだけしか出来なかった。そして身動きの取れない私に対して機関銃の異世界人は、あの重いM4を片手に、走り出す。もちろんそれにもドラゴンは気づく。異世界人はそのことを見切っていたような立ち振る舞いでその場で立ち止まり一気に射撃を開始する。もちろんドラゴンは怯まない。だが少し時間が経った頃で機関銃の射撃の量が少しずつ効果を出していた。私はこのままならいけると思った。そしてドラゴンが少しずつ後退りして行く中、異世界人は一歩前進また一歩前進と前へ歩いていた。

「おらおらおらおら!!困難でくたばってんじゃねぇーよ!くそドラゴンが!」

大声で叫ぶ冒険者。だが、その攻撃も長くは続かず弾切れという残酷な結末になってしまった。冒険者はこれ以上何もできないと悟り、腰につけていた手榴弾を手に取る。そしてドラゴンの方へと走り出し途中でピンを外す。その手榴弾を3mほどの近さでドラゴンの口の中めがけて投げた。だがその瞬間ドラゴンはまたもや右手の爪でその手榴弾を弾き返す。それも飛んで来た方向に跳ね返す。そして、その手榴弾は叫んでいた異世界人の口の中に入ってしまい、その瞬間爆発をしてしまった。これにはさすがに私も嘔吐をしてしまい、耐えられなかった。上半身から上の部位が全て肉片となり周りに散った。その光景があまりにも残酷で酷かった。数秒後ドラゴンはこちらを向いた。私はおもわず目を合わせてしまい、それと同時にドラゴンは私の方へ飛び立った。もう私には命はないと思った。今まで楽しかったこと。初めて異世界人と触れ合えたこと。紅蓮といろんな思い出を積んだこと。その全てを思い出すと共に目から熱いものが流れて行った。私は涙を流しているのだと気付き、最後は笑って終わろうと思った。でもさすがに死に場所は決めたいと思い、塔の前、そこは最初にドラゴンのいた場所だ。私はそこに向かって走った。そしてそこに着くと同時にドラゴンもそこについた。私はその場でニコッと無理矢理笑顔を作った。ドラゴンは口を大きく開け捕食体制に入った。熱い息、臭い匂い、そして鋭く尖った歯が私の体を貫いて行くのが感じた。私は最後の力を振り絞り

「今までありがとう」

いろんな人に向けてこの一言を言い残した。




数十分前。
俺はいつこの勢いが止まるのかと思った。一向に下がらない速度。そして気温が下がっていき酸素の量も減って行った。だんだん下の建物が小さくなっていき、鮮明に見えなくなって来た。でも、俺はドラゴンという恐ろしいものから離れることに対して少し安心した。

「んーどうすっか。これ以上上に行くと流石におれも死ぬ。だからと言ってなぁ」

確かに今の状況に対しておれは何かができるわけじゃなかった。俺はもうこのまま死ぬ運命だと頭によぎったが、流石にまた死にそうになるのはごめんだと思った。そして何かないかと自分なりに考えながらも身体中を触った。一箇所だけ胸のあたりにあるボタンに気づく。そしてそのボタンを押すと同時に背中が少し涼しくなった。すると、いきなり速度が落ち、上空で止まった。俺は顔を背中に向ける。おれは驚きと興奮が交わった感情になった。なぜなら背中の防具が翼に変形しているのだから。おれは上空で速度が落ち、停止したことに納得がいった。だが、逆に言えばそれだけであって、停止もほんの数秒。その後すぐに自由落下を始める。だんだん加速をつけ始める。でも、一定の加速になった時それ以上落下スピードは上がらなかった。恐らくそれはこの翼がパラシュートと同じ役目なのだろうと考える。そして僅かながら下の状況が見えた時、おれは絶句した。なぜなら下にいたはずの冒険者はみな、体を真っ二つにされたり、肉片にされたりと人間という原型を保っておらず、皆死んでいたからだ。俺はとっさにマリーの生存を確認する。そしてマリーを見つけるとともに、残りの人数が三人だということに気づく。おれは一人一人が殺されて行くのは時間の問題だと気付きどうにかして下に向かおうとする。だがやはりこの翼がパラシュート代わりとなって邪魔でいた。俺は無意識のうちに胸のボタンを押す。すると今度は背中が熱くなり、翼は変形しないまま落下スピードが飛躍的に上がった。これにはおれも驚いたが何よりも背中の熱さに驚いた。おそらくエンジンか何かでここまで落下スピードが出せるんだと思った。でも、背中を触ってみると、何も出てないし、熱い部分は火傷も何一つなかった。おれはそれに若干の疑問を持ったが、すぐにマリーを助けることを考える。そして下の状況が明確になった時、マリーの姿どこにもなく、俺がドラゴンに飛ばされバリアを破った部分の丁度下にドラゴンがいたことに気付く。おれはこのギルド内の冒険者を殺し、何よりもマリーを殺したこいつに殺気露わにした。俺はゆっくり腰から剣を抜きこれ以上にない落下スピードでこのドラゴンに向かって振りかぶった。そしてタイミングよく剣を振りかざし、

ズドドドドドドドドドドォォォォォン!

大きな音とともに、ドラゴンだけでなく塔以外のギルド内を真っ二つにしてしまった。そしておれはその場で立ち崩れ、マリーの死を悔やんだ。



数分後

「ぐ、ぐれん?」

おれの名を呼ぶ声が聞こえた。馴染みのある声だった。この声の主をすぐ判断することはできなかったが、熱くなった瞼をゆっくり開けると同時に視界がだんだんはっきりし、その声の主を見る。そして俺は、腹部に複数の穴を開けたマリーを見て、その場で抱きかかえた。俺自身恐らく落下した勢いで全身骨折は免れないだろうと思っていたがそれ以上の重傷を負っているマリーを見ると今の俺がバカバカしく思えて来た。そして俺らは何も動くことができなままその場で二人倒れ込んでしまった。俺はマリーと一緒に死ねることができて嬉しかった。その気持ちを大事にしようと俺はマリーに

「楽しかったよ」

この一言だけ伝えた。

俺今日から異世界に挑みます3

今回は作者が入院してしまい、投稿が遅れてしまってすいません。内容も途中でガラッと変わる部分もあるかもしれませんが、気にしないでください笑
今回の作品は徐々に作者の腕が上がっているような気もしつつ、もっと頑張れるような気もするなんとも言えない感じです笑ですが、皆さんが楽しんでもらえるよう、頑張って書き上げたので読んでみてください!

最後にこの物語を読んでくれた読者に心からの感謝を!

俺今日から異世界に挑みます3

世界の真実を知るとき、人は冷静でいられるだろうか?どの世界でもそう。世界の真実は残酷で儚い、そんな真実を自ら知りたい人がいるだろうか。今回の作品はこの異世界の真実に徐々に迫っていく紅蓮の物語。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-13

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted