ゲーゲンヴェルト

鳴らない電話が鳴り止まない
続かない日が続く
あの子の座わらない虚から
引き止めない過去を聞く
どこにも届かないオンラインでは
知らない名前は記号になり
記号でしかない記号が
止まらない錆びたブランコを
沈まない夕日にする

粒子の街では
子供が大人に
おとながこどもになる
紙は命の文字
流線型の雨だれが
人の道を説き
生きている石をうつ
どこへでも
どこまでへでも

選べない意志をもたされ
音のない声をもたされ
彼らは昼を立つ
見えない的をもたされ
免れない希望をもたされ
彼らは夜を立つ

ゲーゲンヴェルト

ゲーゲンヴェルト

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-13

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