天外の魔術2

女の方も言葉を返す。
「私のところは六人だ。皆勇敢だった。今日はお互いに辛い日だな。しかし」
と女の方は煙草を吸った。
「負けていればもっと悲惨な日になるところだった」
「ああ」
「煙草を吸うか?」
「ああ。ずっと禁煙していたがな、今日くらいはいいだろう」
そうして両者は死体でいっぱいの平原で煙草を吸った。煙は赤い赤い空へと消えていった。まるで血のように赤い空へ・・・・

天外の魔術2

天外の魔術2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-12

Public Domain
自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

Public Domain