眠る
眠りにつく前
眠る時間
眠ることは一つの時間の過ごし方である。
そう思えるようになったのは20代後半に入った頃だった。
小さい頃は起きている時間と睡眠時間は別物だと感じていた。
子どもの頃は疲れたから眠る。気づくと眠っていた気がする。それが年齢を重ねるにつれ、眠るのはもったいないと思い、夜更かしするようになる。ある時期は夜明けまで起きていたりもした。
そんな不規則なリズムも長い目で見れば、最後は睡魔に負け、学校や仕事の軸に合わせ朝型のスタイルに戻っていた。
寝るのがもったいないと思う時期を過ごした後は、寝ることを至福に思える時期が来た。
人間関係や将来に不安を感じ、いくら考えても、鮮明には見えない未来と向き合うことが苦痛に感じる時期。
そんな時は安息の時間が眠ることでもあった。何も考えなくてもいい。ただそんな感覚。
それらの時間を経て、サイクルが戻って来た。ただもっと現実的な問題として。
疲れたから寝る。
明日に備えて寝る。
過去の蓄積と、未来を見据えて眠ることを見るようになった。
長い時間を通して、眠る時間と向き合っていた。
まだ眠ることには目覚めたばかりだ。
眠る
眠るのは嫌いじゃない。