眠る

眠る

眠りにつく前

眠る時間

眠ることは一つの時間の過ごし方である。

そう思えるようになったのは20代後半に入った頃だった。

小さい頃は起きている時間と睡眠時間は別物だと感じていた。

子どもの頃は疲れたから眠る。気づくと眠っていた気がする。それが年齢を重ねるにつれ、眠るのはもったいないと思い、夜更かしするようになる。ある時期は夜明けまで起きていたりもした。

そんな不規則なリズムも長い目で見れば、最後は睡魔に負け、学校や仕事の軸に合わせ朝型のスタイルに戻っていた。

寝るのがもったいないと思う時期を過ごした後は、寝ることを至福に思える時期が来た。

人間関係や将来に不安を感じ、いくら考えても、鮮明には見えない未来と向き合うことが苦痛に感じる時期。

そんな時は安息の時間が眠ることでもあった。何も考えなくてもいい。ただそんな感覚。

それらの時間を経て、サイクルが戻って来た。ただもっと現実的な問題として。

疲れたから寝る。
明日に備えて寝る。

過去の蓄積と、未来を見据えて眠ることを見るようになった。

長い時間を通して、眠る時間と向き合っていた。

まだ眠ることには目覚めたばかりだ。

眠る

眠るのは嫌いじゃない。

眠る

食べること、遊ぶこと、話すことと同じように、眠ることの素敵さをふと感じました。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-08

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