代償

ねがい

恋願う夜

彩り豊かにご散壊

血に濡れた籠

千切られた戯言

「桃色に染まるあなたの指をひしと握った夜でした」

夜会は夢の中

在りもし無い古城にて

星空の下

濡れた土より蘇る

「あなたは一人」

星屑は落下する

嘲笑いながら

ひとり
ヒトリ

いいじゃ無い

甲斐なく

哀れに

願うけど

星屑は落下する

罰は増える

罪はひとつ

「好きなんでしょう?」

かわいそう

夜露はわたしの頬を打つ

炎は灯らない

冷えたこの部屋に

家主は一切帰って来ない

抱擁は永遠にわたしの番にならない

ひとり?

いらない?

いらない

歩ける

落ちた星屑を踏み付ける

帰る場所はない

ただ、願う

今日も
明日も
明後日も

死んでも
生きても

ただ、願う

代償

代償

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted