インスピレーションのはかない誕生

インスピレーションのはかない誕生

   



   



   



   



   



   



 



生まれたての頽廃のガレージ音は


わたしの愛した

あの男のものだった



 歴史は終わって


     もはや カラシニコフも

     リゾームも いらない



死に遅れて

たえず、小刻みに震える

胎動の告白を


    あのひとは

    進化のない


       むきだしの 垂直線上に

       貶めていくのだ


迷い子のわたしを

細切れにしながら



マーケットに並べられた   断絶のピルを食事にして



          汚れた ラヴァー・ジュースと一緒に

          むしろ 降りていきたい


飼いならされた疫病の代わりに

地下世界の饗宴で



          あのひとの装う

  ベルベットのドレスに  編み込まれて



インスピレーションは   はかなく誕生する




   ドレスの縫い糸の  先端のような死と共に
   



   



   



   



   



   



 

インスピレーションのはかない誕生

書いたのは高校の頃かもしれない。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

インスピレーションのはかない誕生

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted