【イナズマ】時を越え、三人が奏でる鐘湊曲(オラトリオ)【イレブン】〝1〟

本作の主人公的存在

愛風空蘭
*責任感があるボケ役ポジティブ派の女の子。
たまに空気が読めない時があり、一人で妄想に浸る事もしばしば…。
リーダー格もあり、誰よりも料理を作るのが上手い事から料理担当となった。
また、一枚Tシャツより二枚重ねTシャツ派。
甘党と辛党の中間が好き、好きなキャラが多すぎて失神寸前がかなり多い。


雲雀リタ
*第二の主人公的存在。
いつも暇さえあれば読書に浸っている読書好きな女の子。
極度に着物や和風系が好きでもう一つの部屋は和風となっている。
リタ直々の要望で神様を脅し、家の地下一階には沢山のダイヤモンドが山のように積み重なっている。
そして家の中では「あたし。」だが外では学ランを着た敬語使いの「僕」っ娘。

第零ノ一章「プロローグ」

初めまして、私の名前は愛風空蘭です。


いつものように大親友たちと一緒に学校に行って、話したり、馬鹿騒ぎしながら帰ったり、色んな話をして後一年で中学を卒業して自分の人生を歩んでいくんだとばかりに思った。


だけど…あの死寸前で起きた一つの奇跡の物語、〝Never Ending Story〟 この言葉を先生から聞かされた時、全く意味が分からなくて理解しようとは全く思わなかった。


でもその言葉の意味を知るはめになったのは、好都合だった。


その日、私は大親友の一人でもある読書好きなリタと一緒に夜遅くまで残って再来週行われる体育祭の話をしていた。


たまたま実行委員に私たち二名が選ばれ、二年生の中で最も貴重な中学大イベントという事で私は張り切っていた。


彼女、雲雀リタと出会ったのは小学三年生の頃。


それからはよく私たちは一緒に居た。


リタ「体育祭ね…。

三年生が居なくなった今、私たち二人で決めないといけないのは分かってるけど…。

面倒な仕事だけはパスだね。」


空蘭「まぁまぁ。仕方ないよ(汗)

それに先生たちに推薦されたんだから、仕事は責任持ってしっかりやらないと!!」


昔からリタは性格的にSな所もあり、頼れるお姉さんタイプだと私はずっとそう思ってたけど案外喋ってみると、性格が爆発している女の子だった。


リタ「流石空蘭ね。

……だけどやっぱ面倒くさい。」


空蘭「えぇΣ!!?」


案外、面倒くさかったりもするんだよね(汗)


束になった書類の束を横に退かしながら私も一息付こうとした時、リタが携帯をいじりながら言った。


リタ「ねえー空蘭!」


空蘭「んー??何ー??」


リタ「流星群、見に行かない??」


空蘭「・ ・ ・ は?」


唖然としながらリタを見ていると、ブラウスの袖を捲りながらリタが自分の携帯を私に見せた。


リタ「1000年に一度の流星群、屋上で絶賛な光景で見れるから行かない??

ね??こんな所で体育祭の種目を決めるよりも1000年に一度しか見られない、流星群を見に行こうよ!!」


空蘭「あ、ちょっと!!リタッー!!!」


強引に腕を引っ張られ、屋上に辿り着くと誰も居なくて静かだった。


……と言っても普段は静かな屋上だし、ここは立ち入り禁止場所とされている。


リタ「さっすが絶景ね。ほら見てみなよー、空蘭ー」


屋上でバレリーナーみたいに踊りながら流星群を背に嬉しそうにリタが言った。


少しずつ、ドアから離れながら私も近くで流星群を見ようとした時だった。


リタ「ほら!!空蘭ももっと近くに来なよ~!!」


リタの声がする方に顔を向けながら、言おうとした時…


「「ギギィッー」」という音が鳴って、リタが石に躓きながら屋上から落ちそうになった。


空蘭「リタッ!!!!!!!」


リタ「え…?」


リタを助けに行こうと駆け付けた時、リタの力が強すぎて私も一緒に屋上から落ちてしまった。


……でもその時に私はちゃんと声を聞いた。


『Never Ending Story

この意味を知るのはもう少し先の話じゃ。世界を変える旅へと招待しよう。』


私たちはそのまま流星群を後に、白い光に飲み込まれながら消えた。

第零章「設定」

☆空蘭の技名・化身覧☆

必殺技*デス・マジック
         「幻の破壊技」という異名を付けられた滅多に見せない最強必殺技。
         出すだけでも100発100中、化身をも吹っ飛ばしてしまう最強技。

     *スターダスト*
           DF専用技。
          どんな化身の最強技でもスターダストを出せば、軽々と止めてしまう危険な技。

化身一体目*天空の巫女メリアス
         〝光〟を導く天空化身。
          主な能力は試合中に怪我した味方全員を回復し、心を満たす勝利を呼ぶ女神とされている。
           空蘭の中では一番目に強い化身である。

   技*ソーディインパルス
    空中から稲妻と共に放つ直行シュート。
      その時の口癖は「避けないと、肋骨を折られるよ。」である。


化身二体目*堕天使イーヴィオ
       〝闇〟を支配し、憎しみの塊として空蘭が本当に怒った時にしか本領発揮をしない。
        主な能力は短時間で敵の動きを止めておき、ゴールを決める事である。

    ・ダークノヴァ
     翼を羽ばたかせる感じ。どんなGK技でも引き裂く。

    ・エンボルトダース
     星をイメージに作られた技。
     星型のコースが出ては、高速でゴールへと向かう。
     ゴールから遠く離れてれば、効果は上がる。


化身三体目*露時雨ノイヴァ
      〝音〟を自在に操り、方向感覚を狂わせる事が可能な神童拓人の化身によく似た化身。     
     ・ブラストナイト
        闇の中に、燃え輝く炎が相手を吹き飛ばす(?)

     ・ファイアーウォール
         水と焔が重なった必殺技。
         絶対防御不可能技でもある。



☆リタの技一覧・化身名☆

【技について】
      ・生吸符
       敵に当てて、体力を吸い取り自分の物とする。

      ・精吸符
       技を受けて、その技をコピーし自分の物にする。

      ・幽幻符
       一時的に敵の速度を遅くする

      
      ☆化身
      風塵封縛フォンテイル(ふうじんふうばく)
      ・着物を着ていて、髪の毛はお団子ヘアーで、手には札を持っている

     技:覇王籠月槍(はおうろうげっそう)

      ・ボールを高く浮かせて、化身の持っている札を槍に変えて、槍を付いてるようにボールを蹴る。

      :蒼華月爆封(そうかげつばくふう)
      ・ボールに水を纏わせ、高く蹴り上げてから叩き落す。
       叩き落すのと同時に水が広範印に広がって相手を目くらましする。

    化身名★煌華月衝ヴォイシズ(こうかげっしょうヴォイシズ)
      肌露が多めの服を着用。

     技:雷神月詠華(らいじんげつえいか)

      空中から雷とともに落とす。


      技:月破紫雷足(げっぱしんでんきゃく)

      地面に落ちているボールを上から勢いよくバウンドさせ、シュートする。

    化身名:アイン・ソフ・アウル
      マフラーを付けていて、腰に刀をつけていて、肩が肌露をしている。






☆後から登場します。



【名前】歌和 琉梨



【読み】うたわ るり



【性格】 本編で;



【化身】
一体目:雷神エアシス(女)
妖精のような姿をした雷の化身。
永里が想像して造られた化身でもある。

技名:イナズマアークス
大量の落雷と共にゴールを狙う。


二体目:水神ラングナー
マーメイドのような姿をした水の化身。
鱗が刺のようになっていて、那月と同じで余り見せる事は無い。

技名:ダークウォール
敵の足場を捉えて、水の地獄に落とす。
DF/MF/FWにはかなり有利。


三体目:火神イフリー
女神のような姿をした化身。回りにはひのこが飛んでいる。

技名:瀑熱サンシャ
瀑熱ストームと似た奴だが威力はこっちが上。


【歌和琉梨について】
那月とリタの大親友で同じく大のイナズマイレブン/GO Love
リタと那月の良き相談者でもあり、ムードメーカー的存在でもある。
100年に一度の流星群の日、体調を崩して家で寝ていた。
琉梨がイナズマイレブンGoの世界に堕ちるのは、月山国光中と闘った翌日。
剣城京介とは何故かライバル関係であって、倉間に好意を寄せている。
努力家だが勉強面では那月曰くイナズマイレブン・円堂並の頭脳らしい。

第一章「新しい世界」

「痛い」という感情さえなければ、「熱い」という思いさえも無かった。


あるとしたら…「寒い」と「心地いい」だけだった。


まさか…地獄!!?とか思いながら、少しだけ目を開けると薄い藍色の天井にスペードのマークに星柄の沢山の星の絵があり、如何にも私の好み的だった。


空蘭「え…。何これ…。」


自分の服装を見てみると私が好きな赤と黒の肩を出した二枚重ねボーダーTシャツに、短いジーパンの上に可愛いらしいスカートのような物を履いていた。

空蘭「わぁお…。
私の好みが分かるなんて…。」

そんな事を呟きながら五人ぐらいは居れば充分ぐらいの大きな雑誌で何度も憧れていたお姫様ベッドから下りて、二つ繋がっている机の一つにあるパソコンが乗っている方の引き出しから藍色のウォークマンが出てきた。

空蘭「スッゴい!!!私の好みの服ばかりだ!!!♪
いや~嬉しいなー!!!♪金持ちになったみたい♪」

隣の【空蘭☆】と書かれた部屋の中に入ってタンスやクローゼットの中をあさりながらテンション急上中だった。


その中から一番いいなと思った黒色のスカートに、ウサギの絵が書かれた灰色の薄い半袖の服を隣の部屋に持っていった時にさっきまでは見かけなかった白色の手紙が机の上にあった。


空蘭「…何だろう??」


お姫様ベッドに付いているカーテンを開けながら服を置き、分厚い手紙を持ちながらベッドに座った。



【DEAR:愛風空蘭さん。

初めましてじゃの。わしの名前は“神様”…そう呼ばれている。

さておき…ここはお前さん達も知っての通りに“イナズマイレブンGO”の世界じゃ。

お前さんらは死んだと思っているが、わしの力で転生をさせたんじゃ。

全てお前さんの趣味に合わせて揃えた。

この世界にはお前さん以外にも、大親友とやらが一緒に来ている。

それとこの家はお前さん達にプレゼントをする。

他に欲しい要望のような物があれば心の中で思えば形となって現れるじゃろう。

また…誰にも自分たちの正体を決して証してはならんぞ。


最後になら…構わんが、自動的にその世界でやるべき事をやってしまったと“力”が判明した場合、終了してから数十分に光となって消えるじゃろう。


最大限のタイムリミットは持ってして十五分じゃぞ。

忘れるでない。それまでに別れを告げるのじゃ。

それと…直々手紙も送るからの。

あ、それと他にもお前さん方が必要そうな財布とやらも用意しておいたぞ。


制服やら学校に持っていく鞄は二つ目の部屋にあるぞ。


これで最後じゃ。 P.S今日は雷門中学では入学式となっているぞ。八時からじゃ】



ようやく全部見終わると自分でも理解したのかしてないのかよく分からなかった。


空蘭「と、言う事は…。私たち…転生しちゃったって奴??」


そう呟きながら近くにあった鏡で自分の顔を見ようとしていた時だった。


「「「バンッ!!!」」」


リタ「ちょっと!!何この手紙は!!1000年に一度の流星群はどうしてくれるの!!?」


黒色のもふもふした紫色の蝶柄の寝服かと思われる物を着ながらリタがやって来た。


リタ「ふざけんなよッ!!!なーにが転生だッ!!!

あたしが楽しみにしていた流星群はどうしてくれるのさ!!?」


パソコンが置かれて無い方の机に叩き付け、それを手に取りながら声に出した読んだ。


空蘭「へぇ~…。結構、信じ難い事だけど…これって好きなキャラに出逢えるチャンスじゃないかな!!?」


リタ「はぁ?ちょっと空蘭、真面目に言ってる??

屋上から落ちそうになったらアニメの世界?ふざけてるでしょ!!!

私たちを何だと思ってる訳なの!?神様とか名乗る奴は!!!

ってかここどこだよ!?」


空蘭「イナズマイレブンGOの世界」


私が即答で言う事を予想していなかったかのような呆れた顔でリタが見てきた。


リタ「答えるの速いよね…。

ていうか何でGO?普通だったらイナズマイレブンの方が先に来るでしょ。」


空蘭「まぁ神様にも神様なりの事情とかがあったんじゃないかな??

それにさ!!私達、一応でも神様って人に感謝した方がいいんじゃないかなって思うの。」


リタ「どうして?」


空蘭「だって神様が私達をアニメの世界に転生してくれてなかったら私達、そのままあの世行きだったんだよ??

それにこうして!!アニメの世界で生きさせてくれてるし、私達にだって屋根のある家をプレゼントしてくれてるし。

普通の親だったら子供たちだけにこんな豪華な家をプレゼントしたりはしないと思うよ。」


リタ「………確かにそうだけど…都合が好過ぎるよ。」


暫らくの沈黙でリタはずっと睨むように手紙を見ていた。
だけどそれよりも私はある事に気付き、重苦しい沈黙を破った。


空蘭「ねえ…確かさ、イナズマイレブンGOではさ…天馬の入学式の日にさ、剣城京介が現れて…

それでサッカー部を潰そうとするんだったよね??」


リタ「…そうだけど?」


空蘭「イナイレGO=今日って…入学式の日じゃない?」


リタ「嘘!!?確か入学式は八時からのはず!!今は何時!?」


焦ったような口調で言うリタと壁に掛かっていた時計を見ながら言った。


空蘭「七時二十分…だよ」


リタ「空蘭!!急いで支度して雷門中に行くよ!!」


空蘭「イエッサー!!☆」


リタが慌てて部屋の外へと出て行くと、私は隣の部屋に行って雷門中の鞄らしき物を見つけた。


空蘭「これが制服…?…嫌!!」


それだけ言うとついさっき取って来た黒色のスカートに、ウサギの絵が書かれた灰色の薄い半袖の服に急いで着替えるとそこら辺に置かれていた両肩掛けの紫色の鞄の中に全てを突っ込むと一階へ下りて行き、【空蘭】と書かれた靴箱の中から適当に緑色のラインが入った靴を取り出して行く気満々だった。


空蘭「リタ早くッー!!!!」


一刻も早く雷門中学に行って京介の阻止をしなくちゃ!!!…………


………と、思っていた時にリタが可笑しな格好でやって来た。


空蘭「リタ…何その格好…」


リタ「え?何って…男装だよ?」


空蘭「見て分かるっ!!!!じゃなくて…何で男装なの!!?」


リタ「エヘヘー////私さ、男装してみたかったんだよー♪
だから学校とかでは、男風の口調だからそれで宜しくー☆」


空蘭「・・・・・・((遠い目」


リタ「なっ////は、早く行くよ!!!」


久しぶりに照れた横顔を見ながらリタは戸惑いなく、【リタ】と書かれた靴箱を開けて、目の前にあったローファーを取り出した。


リタ「では、参りましょう」


=走りながら…=


空蘭「ねぇリタ!!!」


リタ「何です??」


空蘭「学校の行き方、知ってるのー!?」


リタ「勿論です☆ついさっき、パソコンで雷門中までの行き方をこの頭の中にしっかりと叩きこみましたので」


そう言いながら私の横で走る学ラン姿のリタ。


…やっぱり可笑しいかな…。


走りながらやっぱり陸上部に所属していて正解だったかな…と思っていた。


私もリタも、余り息が荒れていなく、まだへっちゃらって感じだった。


安心していた時…すぐに悲劇は起きた。


すぐ目の前にあるゴミ箱の中にサッカーボールが飛んできた。


空蘭「もうフィフスセクターは来てるって事ね…」


そう言いながらグランドを見た。


するとそこには…剣城京介と松風天馬、音無春奈、久遠監督が居た。

第二章「フィフスセクターと化身」

遠くからで何を言っていたのかは分からずじまいだったけど、アニメを何十回も再生していたから何となくは理解出来ていた。


空蘭「もう少しで神童君率いるファーストチームが登場するはず…。」


大きな木の陰に隠れながら、色んな人達から怪しい目で見られながらも出方を待っていた。


リタ「部室の部分は私がやるね★」


空蘭「あぁ…まぁよろしく(汗)」


若干苦笑しながらもリタが鞄を置いて、ゆっくりと部室の方に向かって歩き出した


………かと思いきや、ファースト登場と同時に戻って来た。


空蘭「うぉぉぉ!!!神童君だよ!!!キタァァa((リ「うるさい」モゴモゴ(泣」


そして…時間が経つにつれ、剣城京介が指を鳴らすのと同時に背後から黒色と黄色いユニフォームを着た10人の人たちが現れた。


リタ「部室前付近の、木の陰に居るね」


空蘭「分かった…」


今度こそリタが部室の木の陰に行き、京介が不敵な笑みを浮かべてサッカー部の部室目掛けてボールを放った時だった。


リタが木の陰から現れながら、リタの周りで火の玉が宙に浮き始めた。


リタ「≪幽幻符≫!!」


リタが得意とする幽幻符でボールの速度が落ち、その場でリフティングを始めた。


空蘭「上手い!!」


そう言った瞬間、リタの目がキラッと光りつつ私の方にボールを向けた。


リタ「行くよッ!!!空蘭!!」


空蘭「え!!?」


小声で呟きながらも来たボールをリフティングしてから、剣城京介に蹴り返した。


皆「!!!!」


倉間「誰だアイツら…」


速水「転入生でしょうか…?」


南沢「いや、もう一人の女は断然違うだろ。私服っぽいしな」


神童「………………」


剣城「チッ。誰だ!!!」


空蘭「GoodBy☆」


笑顔でそう言うと自分の鞄だけを持ってその場から走り去った。


自慢の走りで走って走って走った先に待っていたのは大きな稲妻マーク入りのサッカー塔だった。


空蘭「へぇ~アニメでしか見れない壮大迫力ね☆

琉梨、これをすっごく楽しみにしてたんだっけ…一緒に見られなくて残念」


そんな事を呟きながら一人でこれから始まるサッカーの試合を楽しみに、二階の観客席に座って一番見やすい席を陣取った。


空蘭「こんなに間近で見れるなんて最高ー♪」


そう言った時だった。アニメではちょくちょく出てきた見覚えのある人物が私の近くに座った。


*「隣、いいか?」


空蘭「うん、いいよ。」


*「サンキュー!!あたしは瀬戸水鳥。アンタ…見かけない顔だけど?」


空蘭「見かけない顔なのは無理無いさw

転校生の愛風空蘭。空に蘭って書いて空蘭って読むんだよ☆」


水鳥「成程なー!!んで空蘭は何でサッカー部の試合を見てんだ?

サッカーは興味無いって顔してるけど…。」


空蘭「ん~…何て言うか…。

新たなる雷門サッカー部の見送り、的な?」


そう言うと水鳥は訳が分からない顔で私を見て来たが、余りの期待一面の顔で見る為、水鳥もこれから始まる試合を見始めた。


空蘭「お。始まる始まる♪」


絶好調でサッカー部の試合を見ようとした時だった。


「「ボンッ!!!」」


空蘭「痛ッ!!!誰だよッ!!!」


誰かに何かの角で頭を叩かれ、振り向くと鬼のような顔をしたリタがいた。


リタ「そ~~~~~ら~~~~~~~!!!!!!!!!!!」


空蘭「ヒィッ!!!ちょっとリタ、何すんの!?」


無理矢理頬を抓られ、ようやくの事で痛々しい罰も終わるとリタが言った。


リタ「空蘭、貴女がサッカー部の手伝いに行くと言い、一緒に行ったのに…僕は置き去りですか?」


空蘭「いや~;これには深い訳がありまして…(汗)」


リタ「なーにが深い訳なんですか!?というか!!僕たちは転校生なんですから、今すぐに理事長室に行かないと駄目ですよ!!!」


空蘭「えぇぇっぇぇ!!だってもう少ししたら神童君たちの試合が始まるんだよ!?

ね!!?せめて後15分間だけでもいいからさ!!!お願い!!!」


必死に両手を合わせながら小声で話をする私たちを見て、水鳥がニヤリと不気味な笑みを浮かべながら言った。


水鳥「何だ、空蘭(ニヤリ

彼氏と一緒にこの学校へ来たって事か?」


空蘭「は…?彼氏?誰が??」


水鳥「そこの美青年の事だよ(笑)

そんなに隠さなくたってバレバレだぜー★」


ようやく何の事を言っているのかが理解し、リタの方を見ると少しばかり爆笑しそうになっていた。


空蘭「あのー…水鳥さん?

この子は私の彼氏じゃなくて、親友の雲雀リタ。

…えと、家の都合で一緒にこの学校に通う事になっただけでしてー」


そういうと水鳥がガッカリしたように「つまんないの。」と言いながらリタに手を差し出した。


水鳥「あたし、瀬戸水鳥。さっきばかし空蘭と仲良くなったばかりだ。」


リタが嫌々にその手を握ると爽快な笑顔で言った。


リタ「転校生の雲雀リタです。空蘭がお世話になったみたいで((キラキラ」


水鳥「ドキッ))い…いや…べ、別にそういう訳じゃ…////」


その光景を見ながらとことん私は思うのであった。


空蘭「(どこの親だよ…。そして何故に女に惚れるんだよ、水鳥…。

アニメの中に居た水鳥はこんなんじゃなかったぞ!!?もっと姉御肌爽快な女だったよね!?姉御!!!)」


心の中で叫んだとしても絶対誰にも聞かれそうに無いなとばかしに思いながら、リタと水鳥がイチャイチャする所を横目で見ながら試合に集中していた。


どうしても試合には集中出来そうになく、仕方無く二人から少し離れた場所に座ると案外景色が良かった。


空蘭「うん。絶賛かもwww」


一人虚しくそう言った時、黒いコートを羽織ったサングラスを掛けた男の人たちがやってきた。


男1「お嬢さん、この学校の生徒でしょうか」


空蘭「一応、今日から入るという形なんです(こいつら…どこかで見たような…」


男2「道案内をしてしてくれませんか?理事長室に用があるのですが…」


空蘭「すみません…私、今日来たばかりで余り分からないんです…他の方に聞いてくれませんか?」


そう話をしているうちに試合が始まった。


男3「君でなければ困る。付いて来て貰おうか」


そう言った途端、私は椅子を使って逃げ出した。


男2「追え!!!逃がすな!!!」


と言って私が外に出た瞬間、リタがトンファーを持って待ち構えていた。


リタ「ここは、任せろ。その間に那月は非常口を使って一階のグランドに向かって!!」


私は「分かった」と言いながら、心の中で(何でグランド?それに男口調なんだ…)とか思いながらも走って、非常口からグランドの方に向かった。


そして…私が辿り付いた所はまさしく…さっきまで二階で見ていた所とは違って、試合会場(1F)に辿り付いてしまった・・・。


監督「!?…お前は誰だ?」


と、言いながら私に近づいてきた久遠監督。


空蘭「私ですか?転入生の愛風空蘭ですが…?」


私がそう言い終えた途端、前半終了の笛が鳴った。


監督「…愛…風空蘭か…頼みがある。」


空蘭「何ですか?」


監督「今だけこの試合に出てくれ」


空蘭「・ ・ ・ はぃぃぃぃ!!?」


リタ「おー…空蘭ーガンバレー…」


空蘭「リ、リタ!!?いつからそこに??!」


リタ「え?…今?」


空蘭「答えになってないし!!!!」


監督「…確か部室の破壊を防いでくれた…」


リタ「おー…まぁ、そぉですが…」


監督「お前も試合に参戦s((リ「却下」…なら、愛風空蘭、出てくれないか」


空蘭「わ、私!?」


監督「今だけでも構わない。お前の力が必要なんだ!!!」


そう言いながら久遠監督は、頭を下げて来た。


リタ「出てあげればいかがですか?」


空蘭「リタまで!?……はい……」


そして…


33番のユニフォームを着ながらベンチの前に立っていた。


立っていた…というより、監督の話を聞くはめになっちゃった訳だしね…。


それに話によると一人、試合中に抜けていったらしいし…。


監督「という事だ。任せたぞ」


空蘭「分かりました。はぁ?…」


リタ「がんばってください…いってらしゃい(小声)」

【イナズマ】時を越え、三人が奏でる鐘湊曲(オラトリオ)【イレブン】〝1〟

【イナズマ】時を越え、三人が奏でる鐘湊曲(オラトリオ)【イレブン】〝1〟

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-13

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 第零ノ一章「プロローグ」
  2. 第零章「設定」
  3. 第一章「新しい世界」
  4. 第二章「フィフスセクターと化身」