置いてけぼりの美学
足をくじいてしまいました
私はもう歩けません
膝をつく私に影を投げかけて
あなたは堂々と前に進みます
光の射す方へ
「いってらっしゃい」
と私は大声で叫びます
真っすぐな背中を押すには
私の腕は短すぎるから
「いかないで」
とは言いません
こんな暗くて寒いところに
あなたはもう留まる必要はない
ただ
一番近くで見ていたはずの
あなたのひたむきな瞳を
もううまく思い出せないことに
くちびるを噛みながら
「私もつれていって」と
腹の内でつぶやくのです
置いてけぼりの美学
足をくじいてしまいました
私はもう歩けません
膝をつく私に影を投げかけて
あなたは堂々と前に進みます
光の射す方へ
「いってらっしゃい」
と私は大声で叫びます
真っすぐな背中を押すには
私の腕は短すぎるから
「いかないで」
とは言いません
こんな暗くて寒いところに
あなたはもう留まる必要はない
ただ
一番近くで見ていたはずの
あなたのひたむきな瞳を
もううまく思い出せないことに
くちびるを噛みながら
「私もつれていって」と
腹の内でつぶやくのです
置いてけぼりの美学