シャツのボタンをひとつずつ

シャツのボタンをひとつずつ
かけ違っていることに
あなたはいつか気づくでしょう

他の誰かが教えてくれるかもしれません

そのときになったらあなたは
「かっこ悪いな」とはにかみながら
今より少し筋張った手で
ボタンを外してしまうでしょう

わたしは一生教えてあげない

かっこ悪いあなたが
いつかそれに気づくまで
かっこ悪いあなたを
いちばん近くで見ていたい

シャツのボタンをひとつずつ

シャツのボタンをひとつずつ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-29

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