私をやめます
私をやめます
詩を書くことをやめようと思います
どこまでもどこまでも
前へ前へと突き進むことをやめます
何度でも何度でも
諦めることなく立ち上がることをやめようと思います
誰でも救おうとすることをやめます
流し目で見捨てて一人で夜の街を歩いていきます
煙草を吸わないことももうやめます
意味のある涙しか流さないことももうやめようと思います
私をやめます
うつくしいものを求めることをもうやめます
目に見えて触れることのできる
あたたかな君と一緒に生きていこうと思います
遠くのどこかにいる誰かのために
命を捧げて文章を書こうとすることをもうやめにします
携帯電話を解約します
誰も知らない町で生きていきます
絶望の外側へ
言葉の存在しない海辺では鮮やかな夏がゆらめきます
これからは君の髪を飾るためだけに言葉を紡いで生きていきます
私をやめます