実験的小詩

なし

なし

 それは奇妙な形をしている
 それは透き通った物体である
 上は円形の切り口をしている
 切り口は開けており、ふちはなめらかに数ミリの厚さをもつ
 その物体はそびえている
 そびえていてかつ下に向かって伸びている
 底は整っていていびつな八角形である
 円のようにも見える
 側面はギリシア彫刻の柱のように紋が刻まれ
 ヴィーナスの腰のようにうねっている
 内部には香ばしい琥珀色の液体をたたえ
 液は固形物のように静を保っている
 そっと手に取る
 水面が揺れ、慌てふためく
 なめらかに歪曲したふちを唇にあてる
 歯に当たりかっと音がする
 固めの接吻
 液体を腔内へと走らせる
 仄かな冷たさを頬にともす
 歯が波に浮く
 そっとゆするとぬるくなった
 灰のような香りが鼻に抜ける
 ぬるくぬめりがでたように感じて、飲み込む
 のどを通る感触のあとは、ふっと消えた
 ふたたび物体を見る
 先ほどと同じように、けれど少し不満げにこちらを見上げている

実験的小詩

読んでくれてありがとう

実験的小詩

なし

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-23

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted