メール

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『おはよう。今日も学校がんばろー』
『うん♪』

私、凛と、絢は小学校の頃からの親友。

中学生になったとき二人ともケータイを買ってもらい、今は毎日10通以上のメールを交わして居る。

私はメールが楽しくて仕方が無い。

絢もそんな感じ。

宿題していてもテスト勉強していても、絶対にメールを返してくれる。


でもそんなに楽しいメールが私たちの仲を壊しかけるなど、予想もしていなかった。



中学二年生、始業式。

『おはよー!今日は始業式♪今日から2年生だよ^^同じクラスになれるといいね!』

そう絢に送信して、返事を待たずに学校に行った。


でも結果から言うと、絢と私は違うクラスだった。

「絢ー!クラス離れたって絶対友達だから!」
「当たり前じゃん凛~」

そういって二人で笑いあった。


「あっ、そろそろ教室行くわぁ。じゃあまたねー」

「うん」


二人とも教室が別々の棟にあったので、昇降口で別れるしかなかった。



私は絢以外に友達なんて居ない。

友達を作るのも、絢がやっと出来た友達、という感じで・・・

一人ぼっちだなぁ、と思いながら、絢が校内のどこに居るかも分からないし、ケータイは持ってきてはいけないので一人で下校した。


帰ってからすぐに絢にメールをした。


『先に帰ってゴメンネ!!明日はどこかで待ち合わせて帰ろう!』


返信をひたすら待った。



今日は宿題も無かったから、部屋でずっと返信を待った。


でも、いつもおやすみのメールを送ってくる時間になっても、メールは返って来なかった。


次の日学校へ行って朝一で絢を探してみた。


すると、絢は知らない女の子と仲よさそうに歩いていた。

名札を見ればわかる。

同学年の絢と同じクラスの子だ。


「昨日アドレス教えてくれてありがとねー」

「ううん。いつでもメールしてねー」


そんな会話が聞こえてきた。



朝も私に目を向けず、その子とばかり話して。


親友だよ、当たり前じゃん、って言った人からのメールを無視して。


アイツとばかりメールしてたんでしょ?どうせ。



「おい」

私は絢たちに向かってそう吐き捨てた。


「え?!」


絢とその女の子はびっくりして私のほうを向く。


「絢、あんたなんてもう友達じゃない。メールも返信してくれないし。朝も私に声掛けてくれないし。もういい。喋りかけないでね」



そう言い残すと学校の門から出た。




今日は学校を休んだ。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-11

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